【本が好き!】月間人気書評ランキング 今月の1位はレイ・ブラッドベリ『何かが道をやってくる』!#東京創元社 #文庫創刊60周年


こんにちは。本が好き!編集部の東郷です。

連休明けからスタートした読書会「【公式】東京創元社文庫創刊60周年祝企画 くらりからの挑戦状」!
東京創元社文庫60周年フェアの対象銘柄100冊を読破しよう!という企画がはじまったことから、ラインナップ本が多数ランクインしています。
「(作家の)名前は知ってたけど、実は読んだことがなかった」「この企画を機に積読本に手をつけてみた」という声が聞かれています。
さて、どんな書評が人気だったのでしょうか?

それでは、2019年5月の人気書評ランキングを発表します。

(同じレビュアーさんが違う書評でランクインしていた場合はより上位の書評のみを掲載。つまり2019年2月で、投票数が上位だった10人の書評が掲載されています)

1位
何かが道をやってくる
書籍:何かが道をやってくる
(レイ・ブラッドベリ/東京創元社)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:41
書評掲載日:2019-05-22 05:14:38
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/47400/review/227318/

数年後、今より幾つか年を重ねてから再読することは可能でも、早く大人になりたかった頃に戻って読むことはかなわない。あの頃に戻れないことを嘆かわしく思うと同時に、戻れないことにどこかホッとしたりもする。

実をいうと私、コレが初めてのレイ・ブラッドベリ。
もちろん名前は知っていたし、
積読山に眠っている本もありはするのだけれど、
なんとなく苦手なSF臭がするような気がしてさけてきた。

そんな私が、今回、この本を手に取ったきっかけはがこちら↓。
只今絶賛開催中の本が好き!公式企画
【公式】東京創元社文庫創刊60周年祝企画 くらりからの挑戦状だ。
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2位
シャーロック・ホームズの冒険 【新訳版】 シャーロック・ホームズ・シリーズ
書籍:シャーロック・ホームズの冒険 【新訳版】 シャーロック・ホームズ・シリーズ
(アーサー・コナン・ドイル/東京創元社)
レビュアー:休蔵さん 得票数:40
書評掲載日:2019-05-18 08:50:18
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/244427/review/227172/

推理小説の金字塔だ!

NHKが『シャーロック・ホームズの冒険』を放映していたのは、いつのことだったろうか。
BBC制作のそれは、土曜日の夜10時くらいから放映していたように記憶している。
まだ小学生だったけれど、毎週楽しみにしていた。
眠たさに負けることもあったが。
小説を読むようになり、必死に読み漁った。
新訳を追った。
さまざまな新訳に出会い、少しずつ違うホームズの冒険を楽しんできた。……続きを読む

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3位
献灯使
書籍:献灯使
(多和田葉子/講談社)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:38
書評掲載日:2019-05-02 10:57:07
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/226179/review/226320/

失われゆく言葉、崩れゆく世界。

多和田葉子は、ベルリン在住歴の作家・詩人である。日本語だけでなく、ドイツ語でも著作を行う。各国語の翻訳書も出ている。
昨年、米国図書賞翻訳賞に、「献灯使」の英語訳”The Emissary”が選ばれた(→)のは記憶に新しいところである。
本書はこの表題作のほか、短編4つを収める。

全般に、言葉に対する鋭敏な感覚を感じさせる。と同時に、作品世界には終末感が漂う。……続きを読む

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4位
戦後怪奇マンガ史
書籍:戦後怪奇マンガ史
(米沢嘉博/鉄人社)
レビュアー:darklyさん 得票数:33
書評掲載日:2019-05-09 21:59:09
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/277257/review/226665/

なんというマニアックな漫画評論。単なる怪奇マンガの歴史に留まらず、作品解説、時代背景、作品が与えた影響などとても濃厚です。

本書は漫画評論家の故・米沢嘉博が生前連載していた「戦後怪奇マンガ史」「恐怖マンガの系譜」をまとめたものです。

戦後からの怪奇マンガの歴史については、1960年代後半生まれの私にとっては1970年より前の作品は当然知らない作品ばかり。やっと1970年代の作品から知っているものがチラホラと出てきます。……続きを読む

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4位

書籍:事件
(大岡昇平/東京創元社)
レビュアー:Yasuhiroさん 得票数:33
書評掲載日:2019-05-20
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/256863/review/227208/

野村芳太郎映画は男女の三角関係を中心に描かれていたが、原作は「裁判」そのものが主人公であり、その迫力には息をのむ。

東京創元社文庫創刊60周年祝企画のブックリストを見ていて、懐かしい作品をみつけました。大岡昇平の「事件」です。大岡昇平といえば、「野火」「俘虜記」「レイテ戦記」などの太平洋戦争ものがすぐに思い浮かびますが、この作品は映画化されたことで有名になった作品だったと思います。

なにしろその映画は名匠野村芳太郎が監督、松坂慶子、大竹しのぶ、永島敏行、丹波哲郎等々の錚々たる俳優が名を連ね、あの「砂の器」と双璧を為す野村作品と言われているほどです。
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6位

書籍:しょぼい喫茶店の本
(池田達也/百万年書房)
レビュアー:風竜胆さん 得票数:31
書評掲載日:2019-05-27
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/277498/review/227515/

のんびりと生きていけばいいんだ。

「しょぼい喫茶店」というとなんだか悪口のようだが、東京・新井薬師に、この名前のついた喫茶店が実在する。本書は、この喫茶店を開業した著者の物語。

著者の池田さんは、高校で自信を無くした。中学のときはバスケットボールの選手として活躍しており、高校でもバスケットボール部に入部したのだが、高校生は体も大きくて速く、芽が出なかった。そして、その部の顧問だか監督だかの教師が最悪だった。……続きを読む

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7位

書籍:諏訪の神: 封印された縄文の血祭り
(戸矢学/河出書房新社)
レビュアー:oldmanさん 得票数:30
書評掲載日:2019-05-21
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/277726/review/227411/

諏訪大社に隠された天津神と国津神の争い。古代史だけでなく民俗学・宗教学も含んだ面白い説だ。

諏訪大社と言えば、御柱祭 先年も盛況で終わったが、著者同様 以前から僕もこの祭りに違和感が有った。

御柱は、7年毎に立て替えられる。つまり十二支の寅と申の年回りに祭りが行われるのだ。
山から切り出した16本の樅の巨木を、地を引き摺り、急坂を落とし、川を渡って諏訪の上社二宮下社二宮の四隅に立てるのだ。……続きを読む

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7位

書籍:捨ててこそ 空也
(梓澤要/新潮社)
レビュアー:ことなみさん 得票数:30
書評掲載日:2019-05-18
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/277645/review/227258/

南無阿弥陀仏と唱えて修行をした「空也上人」揺れる時代に生まれ「空」を求め、人々に来世の幸せを説いた。

梓澤さんの著作を知って、近作「方丈の孤月」から鴨長明の世界を読みたかったが。図書館ではすでに予約が詰まっていた。それでは他の梓澤作品を読んで作風を知りたいと思った。

平安中期といえば鎌倉の時代に移るまえの武士の台頭も興味深いが。
半ば完成したかのような貴族文化華やかな頃、突如天変地異が襲い、飢饉が人々を脅かし、疫病、盗賊の跋扈と人心の落ち着く間もないほど荒れた時代にもかかわらず、王朝文化が続いていた。
そんな中で生まれた異端ともいえる人々をドラマチックに描き出す梓澤要という作家に興味を持った。……続きを読む

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7位

書籍:眼下の敵
(D.A.レイナー/東京創元社)
レビュアー:efさん 得票数:30
書評掲載日:2019-05-15
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/277541/review/227086/

英海軍駆逐艦と独Uボートの一騎打ちだ!

非常にストレートな海戦小説です。
護衛任務についていた英海軍駆逐艦ヘカテは、そのレーダーにUボートを捉えます。
なんでこんな大西洋ど真ん中にUボートが一隻だけ航行しているんだ?
Uボートは潜水しておらず、海上を最大船速で突っ走っているのです。
一体どこへ行こうというのか?

ヘカテの船長であるマレルは、何らかの理由でUボートは海上のどこかの地点で何らかの船舶と会合を果たそうとしていると推測します。……続きを読む

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7位

書籍:愚者(あほ)が出てくる、城寨(おしろ)が見える
(ジャン=パトリックマンシェット/光文社)
レビュアー:星落秋風五丈原さん 得票数:30
書評掲載日:2019-05-21
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/27392/review/226793/

いいから早く医者に行こう~ぶっ壊れグロリアと昏倒レオンの遁走劇

これを紹介する時正直悩んだ。冒頭が
トンプソンが殺すべき男はおかまだった。
だし、ヒロインが精神病院から出てきたばかりだし、タイトルがこれだし。だし、だし、だし。だいたい、おかまはその後の物語に全然絡まないんだから、殺す相手がおかまでなくてもいいじゃないか。ほら、ね、このように、この本を差別用語を使わずに紹介するのは難しい。……続きを読む

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