こんにちは。本が好き!編集部の東郷です。
2019年1月の人気書評ランキングを発表します。
(同じレビュアーさんが違う書評でランクインしていた場合はより上位の書評のみを掲載。つまり2019年1月で、投票数が上位だった10人の書評が掲載されています)
1位
書籍:『影』
(カーリンアルヴテーゲン/小学館)
レビュアー:yukoさん 得票数:52
書評掲載日:2019-01-06 21:21:13
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/24897/review/219953/
ノーベル賞作家である父。家族にかかる影。両親を覆う影。そして息子夫婦を飲み込む影。なんという忌まわしい影、影、影・・・
ノーベル賞作家である父アクセルは脳疾患で寝たきりで介護施設に入院しており、
その息子、ヤン=エリックは、父の作品についての講演会をこなし、数々の財団をまとめ、父の名声の名のもとに生きています。物語は、とある男の子が、
「この子をよろしくお願いします。許してください」
というメモと一緒に捨てられているシーンから始まります。男の子は成長し、脚本家として名をあげようとしているクリストファーという青年に。……続きを読む
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2位
書籍:『マリー・アントワネットの日記 Rose』
(吉川トリコ/新潮社)
レビュアー:茜さん 得票数:41
書評掲載日:2019-01-08 19:10:16
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/273604/review/220040/
ハーイ、あたし、マリー・アントワネット。もうすぐ政略結婚する予定www
マリー・アントワネットは皆さんご存知だとは思いますが私は名前だけしか知らずに読んでみました。
RoseとBleuがありまして上巻と下巻に分かれています。とりあえず今回は上巻であるRoseから。Roseは輿入れ((上流の家庭の)嫁入り。婚礼。))からルイ15世崩御までが書かれています。
が。。。クソ真面目な文章なんかではなくてネットスラングやらギャル語(古い?)や顔文字などを使って書かれているので文章的にはチャラいですwww……続きを読む
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3位
書籍:『デーミアン』
(ヘッセ/光文社)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:40
書評掲載日:2019-01-21 05:57:19
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/254915/review/220343/
私もまた、いつか自分自身になることを夢見て、卵の殻と格闘する。今も昔もこれからも。
ヘッセとのファーストコンタクトは中学生の頃。
『郷愁』を読んだのは学校の推薦図書だったからかもしれないが、『車輪の下』や『デミアン』を読んだのは、当時ハマっていた萩尾望都の漫画の影響だった。興味本位で手にしたにもかかわらずこの作品に強烈に惹かれたのは,やはり私も日々息苦しさを感じ、生きていくことが難しいと感じる年頃だったせいだろうと今は思う。……続きを読む
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4位
書籍:『きのこ会議』
(夢野久作/青空文庫)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:38
書評掲載日:2019-01-04 15:42:24
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/223130/review/219813/
きのこの目論見、成否如何。
夢野久作の作。
きのこ連中が森に集まり、かわるがわる演説を始める。
彼らの関心事は、自分たちに対する人間のさまざまな行いである。椎茸が畠を作ってもらってうれしいと言えば、松茸は胞子を飛ばす前に食べられることを嘆く。
一同、ふむふむと聞いていると、そこで立ち上がったのが毒きのこ連中。そもそも人間の役に立つことなど考えるのがおかしいという。毒を持っていれば食べられることもなく、自由に一族が栄えられるではないかと一席打つ。……続きを読む
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5位
書籍:『黒いピラミッド』
(福士俊哉/KADOKAWA)
レビュアー:darklyさん 得票数:36
書評掲載日:2019-01-12 09:40:02
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/271265/review/220196/
最後の「日本ホラー小説大賞」大賞受賞作品。作品の出来よりも、これホラーなのか?という疑問が。
大学職員でエジプト研究者の二宮が正規の発掘現場ではないところからアンク(装飾品)を持ち帰ったことにより惨劇が起こる。その後そのアンクを手に入れた者は次々と死を迎える。二宮の同僚でありエジプト研究者の日下美羽はアンクの呪いを解くため発掘された遺跡にそれを戻すべくエジプトにおいて遺跡の捜索を開始した。呪いによって死んだ者は死ぬ間際に「黒いピラミッド」の存在を仄めかす。その正体は?……続きを読む
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6位
書籍:『高知能者のコミュニケーショントラブル: IQが20違うと会話が通じない』
(安間伸/)
レビュアー:sawady51さん 得票数:35
書評掲載日:2019-01-18 06:28:15
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/270637/review/215357/
IQが20違うと会話が通じない!
IQが20違うと会話が通じない!みんなうすうす感じていても、口に出すことはタブーだった。高知能者は思考も表現も普通の人とはちがうため、孤立していじめられることがある。馬鹿だと決めつけられて集団リンチされることもある。しかしそれは技術や社会の発展には大きなマイナスで、我々は自分たちが気付かぬうちに大損しているのだ。
……続きを読む
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7位
書籍:『床屋さんへちょっと』
(山本幸久/集英社)
レビュアー:波津雪希さん 得票数:33
書評掲載日:2019-01-20
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/197631/review/220761/
床屋に絡んだストーリー。
生前に墓を建てようとして、霊園に下見へ行こうとしたら
何故だか、孫が付いてくる。
そもそも、孫の勇が穴倉勲の元に来たのは
一週間前に娘の香が旦那と一子に住んでいる所から
飛び出して、実家に帰ってきたことなのだが
それが、『床屋さんへちょっと』のストーリーに
深くかかわってきます。……続きを読む
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7位
書籍:『去年の冬、きみと別れ』
(中村文則/幻冬舎)
レビュアー:ことなみさん 得票数:33
書評掲載日:2019-01-10
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/210521/review/220110/
「君と別れたのは冬」なので、そこからいくと物悲しい別れで、男女の別れか親子友人あたり、もしかしてラブストーリーかな、と背表紙を見て思った。しかし帯を読んでみると凄い。
ジャンルもミステリでしょうが、人物の絡みや流れはホラーかもしれない。重要な登場人物で精神的に安定してる人がいないし、自覚があったりなかったり、やはりみんなどこか狂っている、そういう人間の話なので、読むほうも不安定な状況に迷ってしまうような。帯には…続きを読む
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9位
書籍:『ライ麦畑でつかまえて』
(J.D.サリンジャー/白水社)
レビュアー:m181さん 得票数:31
書評掲載日:2019-01-25
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/1796/review/220992/
大人はわかってくれない。故に、ホールディンは天に唾を吐くかの如く暴言をのたまうのだ。共感した。いい作品だ。
キャッチャー・イン・ザ・ライ (村上春樹訳)が初読でした。
3年ほどして、こちらの昔の本をすすめられて読みました。
「中2病の反抗期の子供の戯言だ」というのが当時の僕の感想。
今回、映画化すると聞き、あえて白水社の方を選びました。
正直に言います。「これはすごい・・・」と思いました。……続きを読む
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9位
書籍:『愛されたもの』
(イーヴリン・ウォー/岩波書店)
レビュアー:星落秋風五丈原さん 得票数:31
書評掲載日:2019-01-14
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/271069/review/216353/
青は藍より出でて藍より青し イギリスはアメリカに愛されているのか?
イギリス人のサー・フランシスはハリウッドで唯一の勲爵士。映画会社の主任シナリオライターだったが今では宣伝部に左遷され、彼がスペイン娘として売り出そうとしていた娘が、社の方針でアイルランドの田舎娘に変えるよう圧力を受けて、もめている。
かつてイギリスから独立したにもかかわらず、いつの間にか人も金もイギリスを越えてしまったアメリカが、たった一つ持っていなかったのは伝統ある歴史と文化だ。……続きを読む
書籍:『ドラキュラ紀元一八八八』
(キム・ニューマン/書苑新社)
レビュアー:休蔵さん 得票数:31
書評掲載日:2019-01-07
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/264568/review/212145/
「本が好き」のレヴューに魅かれて読んでみました。「もしもドラキュラが滅ぼされていなかったとしたら・・・」という立ち位置での本書は、さまざまな登場人物が入り乱れての一大活劇に仕上がっています。
紀元1888年。
ヴァン・ヘルシングにやられることなくドラキュラ伯爵は生き延びていた。
それもイギリス王国のなかに入り込んで。
普通の人間である温血者(ウォーム)とヴァンパイアが闊歩するロンドンが舞台の本作。
ヴァンパイアには新生者(ニューボーン)や長生者(エルダー)がおり、事態はなかなか社会情勢はなかなか複雑。……続きを読む