一瞬で消える花火だからこそ、記憶に残る。
言葉のエンターテインメントを志して半世紀
五木寛之といえば押しも押されぬ大御所作家。多くの著作がありますが、間もなく刊行される本書は、ちょっと特別な一冊です。
五木寛之さんが、「作家」として生きるうえでどんなことを考え、大切にしてきたかを振り返り、数々の仕事の中から、対談、作詞、解説、帯文、紀行文などを発表年とともにまとめた作品集でもあるのです。
あとがきを読むと、構成などの内容はもちろん、装丁や文字組みやフォントに至るまで、五木さん自身がこだわりぬいた、とあり驚きます。
というのも、本の中身は作家にしか書けませんが、分業制で多くの人が携わる本づくりにおいて、造本の細やかな点に至るまでそのすべてを決め、意志を通すというのは作家といえど容易なことではありません。
自らを文学者ではなく、道を究めるものでもなく、文で人を楽しませる芸者、文芸者である、という五木さん。文章だけでなく、本の造りを含めた装置や演出にまでこだわりぬく姿勢も頷けます。明るい色の表紙で手に取りやすく、文字組も読者に優しい一冊に仕上がっています。
なんでもやる、どこでも書く!というのが五木流
五木さんは小説を執筆するほかにも、文学賞の選考委員や、ラジオ番組、果ては歌謡曲の作詞まで! 多様な仕事を精力的にこなしています。それは作家という仕事を通して、人びとを喜ばせたい、という気持ちがその根本にあるから。
「読んでもらう人たちに、千円の本なら千円出した分、楽しみなり喜びなり、疲れを癒すものがなければならない、そこにぼくが宣言するエンターテインメントの基本があります。(本書より)」
なんでもやる、どこでも書く!その考えに込められた作家という仕事への想いと地道な努力には、驚きを隠せません。
本書の刊行を記念したトークイベントが東京と京都にて開催されます。五木寛之さんのファンはもちろん、生き方や働き方のヒントを見つけたい方も、ぜひ足を運んでみてください。
イベント概要
『作家のおしごと』(東京堂出版)刊行記念トークイベント五木寛之「作家のおしごと」について語る
【東京会場】
日時:2019年1月25日(金) 19:00~(開場18:30)
会場:東京堂書店 神田神保町店6階 東京堂ホール 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1丁目17番地 東京堂神保町第一ビルディング6階(東京メトロ半蔵門線・都営三田線・都営新宿線神保町駅 A7出口徒歩3分、JR御茶ノ水駅 御茶ノ水橋口徒歩8分)
参加方法:『作家のおしごと』(本体価格 1,600円)をご購入いただいた方にイベント参加券をお渡しいたします。または以下予約フォームより予約可能。
問い合わせ先:03-3291-5181(東京堂書店)
トークイベント@東京に申し込む
【京都会場】
日時:2019年1月29日(火) 18:00~
会場:大垣書店 イオンモールKYOTO店 Sakura館4F Kotoホール 〒601-8417
京都市南区八条通西洞院下ル(京都駅八条口より徒歩5分、新都ホテルとなり)
定員:100名
参加方法:『作家のおしごと』(本体価格 1,600円)の代金を大垣書店 イオンモールKYOTO店レジにてお支払いください。参加整理券をお渡しいたします。お電話でのご予約も承ります。
※書籍はイベント当日にサイン本をお渡しします
問い合わせ先:075-692-3331(大垣書店 イオンモールKYOTO店)
プロフィール
五木寛之(いつき・ひろゆき)
1932年福岡県生まれ。生後まもなく朝鮮に渡り、終戦にともない47年にピョンヤンより引き揚げる。52年早稲田大学露文科に入学、57年中退。業界紙記者、ルポライター、作詞家などを経て、66年『さらば モスクワ愚連隊』で小説家デビュー、同作品で小説現代新人賞を受賞。67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、76年『青春の門』ほかで吉川英治文学賞を受賞。2002年菊池寛賞を受賞。10年に刊行された『親鸞』で毎日出版文化賞を受賞。その他代表作に『ソフィアの秋』『デラシネの旗』『風の王国』『蓮如』『大河の一滴』など多数。仏教がテーマの著作、時代や社会を映したエッセイ、対談、紀行など幅広いジャンルで精力的な創作活動を続ける。
2019年1月25日発売 五木寛之最新刊『作家のおしごと』
書籍:『作家のおしごと』
(五木寛之/東京堂出版)
書籍詳細URL:https://www.honzuki.jp/book/273868/
【概要】
小説、作詞、コラム、講演、インタビュー、対談、紀行文、ロシア文学……。
『さらば モスクワ愚連隊』での鮮烈なデビュー以降、五木寛之さんは実に幅広く多彩な活動を繰り広げてきました。これらすべてを「作家の仕事」と、五木さんは言います。
なぜ書くのか。さまざまなことに取り組む理由は何か。多彩な作家活動を支える根っこのところにある思いとは。
本書では、半世紀以上にわたる作家としての歩みを改めて振り返り、こだわりのジャンルと作品を紹介しながら創作活動への思いを語ります。
初の「職業的自伝」であり、作家活動の集大成と言える作品です。
35年前に行われた、村上春樹さんとの特別対談も収録しています。
(以下本文より)
いったい、お前さんは何をやってるんだ、と笑われそうですが、これが私の生き方です。
「この道一筋」が尊敬されるこの国に生きて、ぼくは自分のドリフト走行を変えようとは思いません。
スピンして引っくり返ることもあるかもしれない。
コース・アウトして進路を見失うこともあるだろう。
でも、そのときはそのとき、と覚悟をきめてやってきました。
この一冊のなかでお見せするのは、そんなとっ散らかしたぼくの仕事の一端です。
笑って楽しんでいただければ、と思います。
【主要目次】
第一部――モノローグ
1 作家のおしごとについて
2 ぼくの目指してきたもの
3 長く続ける中で考えてきたこと
第二部―― 実践編
1 対談について
2 あそび(ギャンブル)について
3 歌・作詞について
4 解説について
5 インタビュー・写真について
6 コラム(雑文)・連載・思い出の記について
7 「あとがき」について
8 講演について
9 ロシア文学について
10 紀行について
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応募〆切:2019年2月1日(金)17:00抽選
本が好き!編集部 東郷