あの人を偲ぶ:没後80年。チェコを代表する作家、カレル・チャペック

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カレル・チャペックをご存知でしょうか? 有名な紅茶専門店ではありません。カレル・チャペックは今年(2018年)で没後80年を迎えるチェコを代表する作家です。およそ1世紀前に活躍した作家ですが、今でもその作品は繰り返し翻訳され、色あせることなく読者を魅了し続けています。

兄ヨゼフとともに1916年にチャペック兄弟としてデビュー。第一次世界大戦と第二次世界大戦という世界を揺るがせた動乱の狭間で、多くの戯曲を共同で完成させました。カレルは、戯曲のほかにSFやミステリー小説、エッセイ、童話など幅広い分野で才能を開花させ、「ノーベル賞に最も近い作家」と言われながらも、終戦前に亡くなりました。

園芸家、愛犬家、愛猫家としても知られ、愛するものへの優しいまなざし、ユーモアたっぷりな切れ味のよい文章は、兄ヨゼフによる挿画、装丁とともにカレル・チャペックワールドを織りなしています。多くの顔をもつカレル・チャペックの魅力を、本が好き!のレビューとともにご紹介します。

こよなく園芸を愛したカレル・チャペック


嵐で荒れた冬の庭の手入れをしていてひいた風邪をこじらせ、肺炎で亡くなったカレル・チャペック。その園芸への愛は、ときに私たちを呆れさせ、笑いを誘います。

園芸家12カ月

書籍:園芸家12カ月
(中央公論社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/25821/

ピックアップ書評(SETさん)

『この世にある物はすべて、土に利用できるものか、できないものか、どっちかだ』……続きを読む

短編小説家としてのカレル・チャペック

こまった人たち―チャペック小品集

書籍:こまった人たち―チャペック小品集
(平凡社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/126029/

ピックアップ書評(よみかさん)

チャペコマニアの心を揺さぶるイタ可愛い人たち。鋭利かつペーソスの綯い交ぜになったペンで描かれる16編の「ポケット短編集」、5編の小品を収める「遺稿から」、日常にある身の回りの事物によせて、国家や戦争、社会や人間を見つめる洞察が冴え渡る「寓話集」からなるチャペックの作品集。……続きを読む

カレル・チャペック短編集

書籍:
カレル・チャペック短編集
(青土社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/25819/

ピックアップ書評(かもめ通信さん)

チェコの国民的作家であるカレル・チャペックの作品16編を集めた日本オリジナルの短編集。人間の弱さや愚かさを、辛辣な語り口でありながら、ユーモラスに描がいていて面白い。……続きを読む

旅するカレル・チャペック

スペイン旅行記―カレル・チャペック旅行記コレクション

書籍:スペイン旅行記―カレル・チャペック旅行記コレクション
(筑摩書房)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/20087/

ピックアップ書評(よみかさん)

チャペックによる、君よ知るや南の国。国際列車に揺られてやってきたスペインは、ヨーロッパらしからぬ風物にあふれた国。街角から庭、人、自然にいたるまで、見るもの聞くもの驚きに満ちたカレル・チャペック魅惑のスペイン紀行。……続きを読む

北欧の旅―カレル・チャペック旅行記コレクション

書籍:北欧の旅―カレル・チャペック旅行記コレクション
(筑摩書房)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/61619/

ピックアップ書評(かもめ通信さん)

カレル・チャペックが北欧を旅したのは1936年だということですが、ウイットに富む文章と、著者本人によって書かれた挿絵がたのしく、ちっとも古めかしさを感じさせない、ユーモアと洞察力にあふれる旅行記です。……続きを読む

愛犬家・愛猫家のカレル・チャペック

チャペックの犬と猫のお話

書籍:チャペックの犬と猫のお話
(河出書房新社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/192175/

ピックアップ書評(hackerさん)

本書の原題は『私は犬と猫を飼っていた』だそうです。ただ、内容は犬について語ってある部分の方が、圧倒的に多いです。ですから、猫好きの人には、もの足らないかもしれません。より正確には、犬と猫を同時に飼っていたことのある人が、一番楽しめる本でしょう。……続きを読む

小説家のカレル・チャペック

山椒魚戦争

書籍:山椒魚戦争
(岩波書店)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/5455/

ピックアップ書評(ぷるーとさん)

自分の利益のために奴隷化した山椒魚に反乱を起こされてしまう人間の愚かしさ。『山椒魚戦争』は、インド洋で真珠を取り尽くしたオランダ人がカンドン・バンドン号のJ・ヴァン・トフ船長に新たな地へ真珠を探しに行くよう依頼するところから話が始まる。……続きを読む

ポケットから出てきたミステリー

書籍:ポケットから出てきたミステリー
(晶文社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/190659/

ピックアップ書評(よみかさん)

揺るぎ無き一本の筋。作家に刑事、神父、新聞記者等、社会の中で様々な立場にある人々が自分の体験した、あるいは身の回りに起った事件を持ち寄って語る。人間の複雑な心理や機微など、集められた小さな話から世の中が見えてくる。……続きを読む

童話作家のカレル・チャペック

カレル・チャペック童話全集

書籍:カレル・チャペック童話全集
(青土社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/70661/

ピックアップ書評(efさん)

子供のころ好きだった「郵便配達人のお話」を読みたくて購入しました。本書は、カレル・チャペックが創作した11の童話全てが原語であるチェコ語から翻訳されています(ポピュラーなチャペックの童話集は9話だけが収められているのが通常ですので、本書はコンプリート版ですね)。……続きを読む

カレル・チャペックの紡いだ言葉の中には、人間味が溢れ、ユーモラスで平和な空気が漂いますが、その背景にはファシズムが支配する苦しい時代を生きたからこその、芯の強さが感じられます。

数多くの作品を残したカレル・チャペック。メモリアルイヤーである2018年、東京チェコセンターでは、カレル・チャペックの文学と翻訳の歴史にクローズアップした展示とイベントが
開催されます。またとない機会、ぜひ足を運んでみてください。

展示「変わらぬ原作、変わり続ける翻訳 ―日本とK・チャペックの文学」

展示会期:2018年3月7日(水)~3月28日(水)
場所:チェコセンター東京(東京都渋谷区広尾2-16-14 チェコ共和国大使館内)
イベント詳細:http://tokyo.czechcentres.cz/program/more/vystava-knih-karla-capk/


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(東郷)

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