本が好き!レビュー大賞 最終結果発表!

先日発表しました、本が好き!レビュー大賞、優秀賞5作品の
受賞者のみなさま、おめでとうございました。

優秀賞作品を対象に、大賞と北海道新聞社賞を選出するための
最終審査を行いました。

大賞は、本が好き!免許皆伝レビュアーが審査を担当し、
北海道新聞社賞は、北海道新聞社内で審議いただき、
両賞の受賞作品が決定いたしました!

最終審査の結果、栄えある受賞作となったレビューはこちらです!

大賞

『美しき鐘の声 平家物語(一)』(木村耕一/1万年堂出版

大賞 村山功一さん

長年『平家物語』(以下『平家』と略記)に親しんできたが、こんなにも優しい(“易しい”ではない)『平家』に出合ったのは、初めてである。何よりも文体がいい。“意訳”と銘打っている以上、必ずしも原文に忠実な現代語訳ではない。だが、意訳であるからこそ、そこに著(訳)者の豊かな感性と、温かい眼差しが反映されている。原典を十分に読み込んだ上で、著者が捉えた独自の『平家』観、『平家』世界が描かれており、その新鮮さが読む者を惹きつける。本書は「国民の文学」として永く日本人の心を捉え続けてきた『平家』に、新たな読み方の可能性を示唆してくれる。豊かなイラストも彩を添え、子供から大人まで十分に愉しめる秀作である。

【免許皆伝レビュアーコメント】
「意訳」という、場合によってはマイナスイメージを持ちかねない特徴を、丁寧に解説されていて読んでみたくなりました。原典を読み込んだ著者が語る「美しき鐘の声」に耳を傾けたくなるレビューでした。
ぽんきちさん)
【免許皆伝レビュアーコメント】
個人的な感想・体験から一歩離れた立場で、作品を評価していると思われるため。
風竜胆さん)
【免許皆伝レビュアーコメント】
レビューのなかで、「“易しい”ではない」というかっこつきで、「優しい」という言葉を使われているところに、まず惹かれました。
そして、読み終えて、優しいのは、この本のレビュア―である村山さんの文章じゃないか、と感じました。
『平家物語』を読みこまれているにちがいないレビュア―さんの、古典初心者に対する心遣いを感じました。
わたしにはどの本を選んで入り口にしたらいいかわからなくて、迷いながら敬遠していた古典のひとつが『平家物語』です。
このレビュア―さんが、このように言われるなら、まずは、この本から読んでみたい、きっと愉しい読書の時間になるはず、と思いました。
ぱせりさん)

※免許皆伝レビュアーとは書評でつながる読書コミュニティ 「本が好き!」の1級レビュアーの中から書評の内容や他の会員からの支持を元に、本が好き!編集部が認定した特別なレビュアーです。

北海道新聞社賞

『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』(汐街コナ/あさ出版

北海道新聞社賞 太田きなこさん

〔あなたが「前」だと思っていたものの先には何がある?〕…言葉の鈍器で頭をガーンと殴られた。漫画をベースに実体験のストーリーが進む。簡略化された漫画の描写は、脳内でいかようにも自分色に再生され、自分だけに語り掛けて来るような錯覚を覚える。そして途中に差し込まれる精神科医とのQ & Aが、緊張感と危機感を与えてくる。これは単なる体験記ではない。
だからこそタイトルに惑わされず、人生に行き詰まりを感じている人には是非読んで頂きたい。気持ちに寄り添ってくれながらも、やさしく手を取り、進むべき道へと案内してくれる事だろう。私はこの本との出会いがきっかけで、14年勤めたブラック企業を退職した。

【北海道新聞社営業局 選考担当者コメント】
「分かっているができない」本書の示す道標を自身の体験に裏付けられた説得力のある文章で表現していました。

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村山さん、太田さんおめでとうございました!
優秀賞作品はこちらからご覧ください。

レビューを読んで、読みたくなったらぜひ本を手に取ってください。
読んで心に響いた本の魅力をレビューにして伝えてください。

次は、あなたのレビューをお待ちしています!

主催:本が好き!レビュー大賞実行委員会
協力:北海道新聞社、各参加出版社

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