第二回本が好き!レビュー大賞の最終結果を発表します。
優秀賞5作品を対象に、大賞と北海道新聞社賞を選出するための最終審査を行いました。
審査方法は、大賞については、本が好き!免許皆伝レビュアー6名が審査を担当。
北海道新聞社賞は、北海道新聞社内で審議いただきました。
審査の結果、選出された栄えある受賞レビューはこちらです!
大賞
『数の女王』(川添愛/東京書籍)
大賞 川勢七輝さん
数学嫌いの人々よ、反撃の時だ!
全ては数によって支配される世界。そんな世界で生きるメルセイン王国の姫君ナジャ。彼女は王妃に養女として迎え入れられたのだが、
それは悲運の始まりだった。演算と仲間の助け、それから亡き姉への想いを数という力に変えてナジャは戦う──。
学生時代、随分と数学に苦戦した私は、読後の感動と爽快感が一入(ひとしお)だ。演算方法を分かりやすく、しかし物語に違和感なく馴染ませる川添さんの文才。読み始めたら止まらない緊迫の展開、ナジャの心の成長。そして何より、日々悩み、迷う私を優しく、しかし奮い立たせてく
れる言葉達。
さぁ、挫けそうになりながらも前に進むナジャと共に、数字を武器として戦おう。
今回はどの作品も読みたいと思わせてもらえた書評でしたが、私と同じく数学嫌いの川勢さんの冒険ファンタジーそのものを感じさせる文体に私も姫君ナジャと一緒に数式と戦いたくなりました。
(祐太郎さん)
グググっと興味を引き付ける、パワフルな書き出しが素晴らしいです。文章にも勢いがあり、夢中で読んでいる川勢七輝さんの瞳の輝きが伝わってきます。これは面白そうな作品だと思い、ついつい読みたい本に追加してしまいました。「やられたー!」と思いました。
(Wings to flyさん)
※免許皆伝レビュアーとは書評でつながる読書コミュニティ 「本が好き!」の1級レビュアーの中から書評の内容や他の会員からの支持を元に、本が好き!編集部が認定した特別なレビュアーです。
北海道新聞社賞
『こども六法』(山崎聡一郎/弘文堂)
北海道新聞社賞 なはたさん
私はまだ中学生。法律なんて知っていても意味ない。この本を読むまでそう思っていました。この本を開くとすぐ見て分かる「見出し」と「かわいらしい絵」。読み進んでいくと「法律なんて知っていても
意味ない」と考えていた自分が馬鹿らしく思えてきました。意味が「ある」、「ない」の話ではなく、ただただ面白いと感じたのです。今まで無意識に聞いていたニュースも法律を知ったことで今まで分から
なかったことが理解できるようになり、興味が湧いてきました。この本は「法律を学ぶ」ことができるだけでなく、「社会に目を向ける」きっかけを与えてくれます。だから私は自信を持って全国のこどもにそして大人にもこの本をおすすめしたいです。
【北海道新聞社営業局 選考担当者コメント】
本書を通じて変化したご自身の気持ちが伝わってくる文章でした。
本書を読むことで得られた学びやきっかけが、まっすぐ心に届くレビューだと感じました。
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川勢さん、なはたさんおめでとうございました!
優秀賞作品はこちらからご覧ください。
レビューを読んで、読みたくなったらぜひ本を手に取ってください。
読んで心に響いた本の魅力をレビューにして伝えてください。
主催:本が好き!レビュー大賞実行委員会
後援:北海道新聞社
協力:各参加出版社