こんにちは。本が好き!編集部の和氣です。
2019年6月10日~2019年6月16日の人気書評ランキングを発表します。
1位
書籍:『若冲伝』
(佐藤康宏/河出書房新社)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:34
書評掲載日:2019-06-10 00:02:29
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/278440/review/228636/
美術史家による若冲評伝決定版。
伊藤若冲(1716-1800)は近年人気の高い、江戸の絵師である。
生前は人気も知名度も抜群であったが、明治以降、一時期、忘れられたに近い存在となった。本格的な学術研究の嚆矢は1920年代、秋山光夫らによるものである。その後、1960年代に辻惟雄・小林忠らにより、研究が飛躍的に拡大する。若冲作品に注目し、多くの作品を入手していたアメリカ人蒐集家、ジョー・プライスの存在も大きかった。……続きを読む
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2位
書籍:『八号古墳に消えて』
(黒川博行/東京創元社)
レビュアー:darklyさん 得票数:30
書評掲載日:2019-06-10 20:20:20
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/38855/review/228571/
安定の黒川ミステリー。考古学の知識がある方が読めば更に面白いかもしれません。
黒川さんの著作は疫病神シリーズ他数冊読んだことがありますが、本作品は大阪府警捜査一課シリーズ第三弾らしいです。このシリーズを読むのは初めてです。語り手である黒木刑事、その相棒の亀田刑事、通称黒マメコンビが活躍するシリーズです。……続きを読む
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3位
書籍:『修道女フィデルマの叡智』
(ピーター・トレメイン/東京創元社)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:28
書評掲載日:2019-06-10 06:40:07
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/763/review/228163/
#東京創元社 #文庫創刊60周年 お祝企画に参加すべく、今度は七世紀にタイムスリップして、アイルランドの修道女に会いに行く。それにしても東京創元社さんのラインナップ、本当にバラエティに富んでいるよねえ。
修道女フィデルマが、既に何作も翻訳刊行されている人気のあるシリーズの主人公だということは知っていたけれど、実際に彼女に会いに行ったのはこれが初めてだった。……続きを読む
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4位
書籍:『カラマーゾフの妹』
(高野史緒/講談社)
レビュアー:ことなみさん 得票数:27
書評掲載日:2019-06-10 00:30:13
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/230609/review/228639/
面白くて最後まで読んでしまわないと眠れない、久々に読書の楽しみを実感した。
第58回江戸川乱歩賞受賞作
昔読んだがぼんやりしか覚えていない「カラマーゾフの兄弟」。今これを読んでも大丈夫解るのだろうか。先にアノ長い長い本編を再読したほうがいいのだろうか。迷っているうちに手元に来てしまった。
こういうのを杞憂と言うのだろう。……続きを読む
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5位
書籍:『日本から城が消える』
(加藤理文/洋泉社)
レビュアー:休蔵さん 得票数:26
書評掲載日:2019-06-11 07:04:51
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/277744/review/227434/
日本各地に存在するお城。それが消えてしまうとは、いったいどういうことなのだろうか?この問題を提起した重要な1冊だ。
日本各地に存在するお城。
旅行先に訪問する目的地として設定する人も多いだろうし、事実、各地のお城は平日でも観光客に溢れている。
遠くから見える天守閣は、旅の高揚感を掻き立ててくれる。
複数の曲輪を通り、石段を駆け上がって目の前に聳える天守閣。……続きを読む
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5位
書籍:『望み』
(雫井脩介/KADOKAWA / 角川書店)
レビュアー:はなとゆめ+猫の本棚さん 得票数:26
書評掲載日:2019-06-14 05:41:41
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/278585/review/228834/
失踪中の息子は被害者なのか加害者なのか。父親の思いと母親の思いが全く異なる。
主人公の一登は地域で力のある建築デザイナー、妻貴代美は家で校正の仕事、長男の高校一年の規士、中学3年の長女雅の4人暮らし。裕福で幸な暮らしをしていた。……続きを読む
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5位
書籍:『茶畑のジャヤ: この地球を生きる子どもたち (鈴木出版の児童文学 この地球を生きる子どもたち)』
(中川なをみ/鈴木出版)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:26
書評掲載日:2019-06-12 05:27:17
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/277244/review/227726/
「たくさん想像できる人は、人を殺さない。悲しみが想像できるから。」「スリランカの内戦を伝えたら、その人たちの想像力の助けになるかもしれない。民族の戦いを考える人に、もっともっと想像してほしい」
実力テストの結果は全科目とも一番だったが、下校途中の周の気分は最悪だった。
クラスでたった二人だけ、自分と共にクラスを牛耳っている健一郎のいいなりにならなかった洋介に裏切られたのだ。……続きを読む
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8位
書籍:『恋する罪びと』
(田辺聖子/PHP研究所)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:25
書評掲載日:2019-06-14 19:26:39
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/278593/review/228847/
語り手の人柄は、人の恋路を語るときでさえ、じわりとにじみ出てくるものなのだなあ~と、久々にお聖さんの紡ぐ物語を読みながらしみじみと感じ入った。これはとりどりの恋のアップリケである。
恋の花束である。
恋の万華鏡である。
恋の見本帳である。
物語や小説から抽き出した恋もあれば、口誦伝説で愛されてきた恋もある。史実の恋もある。あとがきで著者自身がこう紹介しているように、本書にはさまざまな恋物語が収録されている。
その数なんと24!……続きを読む
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8位
書籍:『人間椅子』
(江戸川乱歩/春陽堂書店)
レビュアー:barbarusさん 得票数:25
書評掲載日:2019-06-10 10:47:53
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/278399/review/228553/
「こんな、うじ虫のような生活をつづけていくぐらいなら、いっそのこと、死んでしまった方がましだ」わたしは、まじめに、そんなことを思います。 ―『人間椅子』わが愛。
本意にしろ不本意にしろ人間社会との絆が希薄なニンゲンにとって他者とは単なる記号になってしまいがちであるが、『人は一人では生きて行けない』という励ましなんだか呪いなんだか解りかねる言葉もある。そしてこれは真理なのだから厄介者である。……続きを読む
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8位
書籍:『方丈の孤月』
(梓澤要/新潮社)
レビュアー:ことなみさん 得票数:25
書評掲載日:2019-06-10 20:15:07
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/278477/review/228673/
梓澤さんの創造の泉は歴史の隙間を快い物語で満たしてくれる。「方丈記」が鴨長明の血肉になって動いている。読んでよかった。
関心があってもなくても、学校で習った「方丈記」を読んで鴨長明さんの経歴についてもおぼろげには知っている。有名な書き出しも。
「ゆく川の流れは絶えずして」、時代を映しながら自己と語り考える。読む人の流れも絶えずしてこの随筆は現代にいたる。……続きを読む
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