【本が好き!ランキング】今週の1位は、「小公女」からはじまる読書の世界 ひこ・田中『ぼくは本を読んでいる。』(講談社)!!

こんにちは。本が好き!編集部の和氣です。

2019年3月11日~2019年3月17日の人気書評ランキングを発表します。

1位
ぼくは本を読んでいる。
書籍:ぼくは本を読んでいる。
(ひこ・田中/講談社)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:37
書評掲載日:2019-03-13 06:23:51
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/274197/review/223317/

タイトルと装丁から、てっきり、本が大好きな少年の話だと思っていた。そうでなければ、その逆で、本なんか大嫌いだったのに、本を読む羽目になった男の子の話とか。けれども、読んでみたらそのどちらでもなかった。

主人公のルカは小学5年生の男の子。
とあるきっかけで、普段は滅多に入らない両親の書斎「本部屋」に足を踏み入れた。
といっても別に両親から「入ってはいけない」といわれているわけではない。
用がないから入らないだけだ。
なぜってその部屋には本棚にぎっしりと、ルカにはその背表紙のタイトルも満足に読めないような難しそうな本が並んでいたから。……続きを読む

—————————

2位
言葉人形 (ジェフリー・フォード短篇傑作選) (海外文学セレクション)
書籍:言葉人形 (ジェフリー・フォード短篇傑作選) (海外文学セレクション)
(ジェフリー・フォード/東京創元社)
レビュアー:darklyさん 得票数:35
書評掲載日:2019-03-11 20:06:56
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/273239/review/223381/

とにかく質が高いとしか言いようがない。狐につままれたような気持ちで読み返す人が多いと思う。

ジェフリー・フォードと言えば「白い果実」三部作が有名ですが、読もうと思いながら未読であったところ、本屋でたまたまこの幻想小説好きならハッとするぐらい見事なジャケットが目に入り、しかもジェフリー・フォードということで思わず手に取ってしまいました。……続きを読む

—————————

3位
空飛ぶ馬
書籍:空飛ぶ馬
(北村薫/東京創元社)
レビュアー:darklyさん 得票数:30
書評掲載日:2019-03-16 08:44:17
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/11141/review/223664/

人気があるのも頷ける。力が抜けているからこそ生まれる心地よさ。

この作者の名前は以前から聞くことが多かったのですが、読んだこともなく、また数年前まで女性かと思っていました。高村薫さんと名前のイメージがダブってたのかもしれません。なんとなく読んでみようかという気になって調べると「円紫さんシリーズ」というのが人気らしいので本書を手に取りました。……続きを読む

—————————

4位
我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち
書籍:我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち
(川端裕人/講談社)
レビュアー:風竜胆さん 得票数:29
書評掲載日:2019-03-11 09:37:06
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/259305/review/223430/

もしかするとこの世界はエルフやドワーフなんかのいる世界だったかもw

このメインタイトルだけを見て、まず思ったのは、宇宙人に関する話題だろうかということ。オカルティックなものは別にして、現在のところ地球以外に人類がいるという明確な証拠はない(いないという証拠もない。もっともいないことを証明するのは「悪魔の証明」になる。)。しかし、副題と表紙イラストを見て、ああこれは人類学のことだなと思い当たった。……続きを読む

—————————

4位
わるい食べもの (単行本)
書籍:わるい食べもの (単行本)
(千早茜/ホーム社)
レビュアー:Kuraraさん 得票数:29
書評掲載日:2019-03-12 00:00:59
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/275511/review/223473/

何があろうと食べて、食べて、食べまくる

千早さんの小説は何冊か読んでいるけれど、エッセイは初めてかな?と読みながら気づく。というのも、千早さんのバックグラウンドは知らないことだらけ。村山由佳さんの子分的存在?くらいしか実は知らなかったのだなぁと改めて思う。……続きを読む

—————————

4位
ツクツク図書館
書籍:ツクツク図書館
(紺野キリフキ/メディアファクトリー)
レビュアー:波津雪希さん 得票数:29
書評掲載日:2019-03-15 00:04:09
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/198846/review/223626/

世にも不思議な図書館お話。

ある私立図書館の募集を見てきた女。名前はなく?筑津区にあるから『ツクツク図書館』と呼ばれている。その図書館の募集している仕事は、本を読むこと。人に本を読み聞かせるのかと思ったら、ただ単に本を読むこと。……続きを読む

—————————

4位
U & I
書籍:U & I
(ニコルソン・ベイカー/白水社)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:29
書評掲載日:2019-03-11 05:36:10
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/274855/review/223284/

もうこれ最高!ピタリとツボにはまりましたw良いところも悪いところも含め、気になる作家について熱く語ることの楽しさを思い出させてくれる1冊です!

あの 『中二階』のニコルソン・ベイカーが、 “ウサギ”シリーズなど多くヒット作品を生み出した人気作家ジョン・アップダイクへの想いを綴った自伝的エッセイ。

ひと昔前……1990年代後半ぐらいの時期ならいざ知らず、今の時代、そう聞いただけで「これは読みたい!!」と思う人は、いったいどれぐらいいるのだろうか。
少なくても私は全く食指が動かなかった。……続きを読む

—————————

8位
彼女は頭が悪いから
書籍:彼女は頭が悪いから
(姫野カオルコ/文藝春秋)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:26
書評掲載日:2019-03-16 13:45:20
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/267754/review/223696/

現実の事件に着想したフィクションを読むということ

何とももやもやの残る作品である。
作品のベースには、現実にあった事件がある。2016年5月に起きた、いわゆる「東大生強制わいせつ事件」。東大生男子学生5人が女子大生1人に暴行を働き、服を脱がせ、わいせつな行為をした、というものである。報じられている限りではレイプではない。だが裸の被害者の尊厳を著しく傷つける行為があったことは確かだったようだ。……続きを読む

—————————

8位
種をまく人
書籍:種をまく人
(ポール・フライシュマン/あすなろ書房)
レビュアー:ぱせりさん 得票数:26
書評掲載日:2019-03-13 08:13:30
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/180637/review/223223/

わたしたちは、自分でも気が付かないうちに、見えない種をまくかもしれない、そうだったらいいな、とこの本を読みながら思っていた。

始まりは、一人の少女が六粒の豆の種をまいたこと。上手に育てたら、自分が生まれる前に亡くなった父が気づいてくれるかな、と思ったのだった。
そこは、クリーヴランドの貧民街にある、汚い空き地の一角だった。そこらじゅうに大小のゴミが散乱していて、ネズミが残飯をあさるような場所だった。
それでも、そこには土があった。……続きを読む

—————————

10位
([ま]9-1)僕はかぐや姫/至高聖所
書籍:([ま]9-1)僕はかぐや姫/至高聖所
(松村栄子/ポプラ社)
レビュアー:m181さん 得票数:24
書評掲載日:2019-03-14 19:30:47
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/275558/review/223572/

1992年出版の芥川賞作品と三島由紀夫賞作品という2作品の入った復刻版。若い女性の心の葛藤を繊細なタッチで描き、その背景に見え隠れする社会問題まで浮彫にした名作です。

至高聖所という芥川賞作品を読みたくて読んだのですが、表題作に度肝を抜かれました。

《 僕はかぐや姫 》という三島由紀夫賞受賞作品について書きます。
これは名作です。……続きを読む

—————————

フォローする