【本が好き!ランキング】今週の1位は、別人の仮面を被ったまま死んだ夫。アイデンティティーの問題に迫る平野啓一郎の長編ミステリ『ある男』(文藝春秋)!

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こんにちは。本が好き!編集部の東郷です。

2018年11月5日~2018年11月11日の人気書評ランキングを発表します。

1位
ある男
書籍:ある男
(平野啓一郎/文藝春秋)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:36
書評掲載日:2018-11-07 06:06:35
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/269810/review/215838/

人はなぜ「物語」を求めるのか?人はなにを「物語」に求めるのか?

話は過疎化の進む宮崎県のとある町で
木材を伐採中の谷口大祐という人物が事故死したところから始まる。
谷口は数年前にその町に移り住んできた男で
離婚して子ども連れでUターンしていた里枝と結婚し
二人の間に子どもも生まれて幸せに暮らしていたはずだった。

生前、彼は老舗旅館の次男坊で両親や兄と折り合いが悪く
実家とは縁を切り二度と帰らないつもりだと言っていたが
亡くなったとあっては連絡しないわけにもいかなかった。

訃報を聞いて駆けつけた兄は、遺影をみておどろく。
そこの写っていたのは見ず知らずの男の顔だったのだ。……続きを読む

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2位
かわいいゴキブリのおんなの子メイベルとゆめのケーキ
書籍:かわいいゴキブリのおんなの子メイベルとゆめのケーキ
(ケイティ・スペック/福音館書店)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:33
書評掲載日:2018-11-05 05:43:03
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/270338/review/215882/

「おうちでゆっくり食事をたのしみたいなあ。だれかが、ここに食べ物をはこんできてくれたらいいのに!」こんな風に思うことは誰でもあるとは思うけれど…… #はじめての海外文学 vol.4 応援読書会参加レビュー

いつものように「あかるいところを、はいまわるべからず。」
「見つかりそうになったら、死ぬ気でかくれるべし。」
「人間の足には、ぜったいに、ちかづくことなかれ。」
という三つのおきてをまもって、ひっそりくらしていた
ちょっとふとめのかわいいおんなの子メイベルは、
キッチンにはおいしそうなカップケーキに心ひかれて、
どうにもがまんができずに嘆いていました。……続きを読む

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3位
両方になる
書籍:両方になる
(アリスミス/新潮社)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:31
書評掲載日:2018-11-09 12:53:21
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/270216/review/215188/

祝 #新潮クレスト・ブックス #創刊20周年 読書会をきっかけにご恵贈戴いた本。とても面白くてどっぷりはまって楽しんだまではよかったのですが、実はコレ、レビューを書くのがものすごく難しい本だったのです…。

おぼろげな記憶をたぐり寄せ
自分が画家であったことを思い出した「私」は
自分の絵が1枚しか飾られていない部屋に
コズメの絵が4枚も飾られていることを嘆いていたが
その場に足を止めた一人の少年が魅入っているのは
他ならぬ自分の絵ではないかと自らを励ます。

けれども少年に声をかけてもその耳には届かず
どうやら彼には自分のことが見えもしないらしいと気づく。
そもそも自分はいったいなぜここに?
自分の終わりがまったく思い出せないのだから、
ひょっとして自分は死んでいないのかも?
自分の状態に疑問を抱きながらも
「私」は自らの人生を振り返る。……続きを読む

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4位
小説 君の名は。
書籍:小説 君の名は。
(新海誠/KADOKAWA/メディアファクトリー)
レビュアー:darklyさん 得票数:30
書評掲載日:2018-11-05 19:45:38
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/238598/review/215845/

ハッピーエンドの裏で少し複雑な気持ちになりました。

週末にかけて出張もあり、最近少し疲れ気味なので軽そうなものをということで世間から数年周回遅れとなっております本書を持っていきました。読み進めていきますと色々な考えが頭をよぎり軽い感じではなかったのが予想外でしたが、作品自体はもちろん良かったです。

一般的には入れ替わりと過去改変SFに若者の恋愛を絡めたファンタジーということになるのでしょう。……続きを読む

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4位
追跡!なぞの深海生物
書籍:追跡!なぞの深海生物
(藤原義弘、JAMSTEC、野見山ふみこ/あかね書房)
レビュアー:休蔵さん 得票数:30
書評掲載日:2018-11-07 07:07:00
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/270490/review/215024/

世界最後の秘境、深海。そこには誰にも知られていない生物が数多く生息する。本書は、少しずつだが明らかになりつつある深海生物について紹介する。

人間は昔から秘境を旅してきた。
まるで自分が知らないということが許せないかのような強い探求心がそうさせていたみたいに。
そして、次なるターゲットとして深海が選ばれた、ようだ。
本書は、深海に潜り未知を減らしてきている研究の成果の一部を紹介する。

光が届かない深海。
そこには、地上での生活では理解に苦しむ姿形や生活スタイルに溢れていた。……続きを読む

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6位
作家の口福 おかわり
書籍:作家の口福 おかわり
(朝井リョウ、ほか/朝日新聞出版)
レビュアー:ことなみさん 得票数:29
書評掲載日:2018-11-05 11:24:29
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/258038/review/215920/

図書館の読書会に参加するようになって、自分ではあまり手を出さないようなジャンルの課題図書を読むようになった、このお勧めの味なエッセイ、面白かった。

当日司書さんが選んで机の上に出してある課題図書関連本の山を眺めるのも嬉しい。私の読書とは違った世界から湧いてくるようにやってくる。司書さんが差し出してくれる本というごちそうがどれもおいしそうで、部屋に積んでいる山のことなど忘れて、いつも三冊くらいはホクホクで借りてくる。
「これ借りていっていいでしょうか」「はいどうぞどうぞ」というとき司書さんは心底嬉しそうな顔をする。私も本屋さんで買うのとは違ってワクワクが倍増ししている。……続きを読む

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6位
その年、わたしは嘘をおぼえた
書籍:その年、わたしは嘘をおぼえた
(ローレンウォーク/さえら書房)
レビュアー:茜さん 得票数:29
書評掲載日:2018-11-08 23:51:18
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/270911/review/216169/

嘘は真実をよそおい、11歳の少女を迷わせる。せつない決心は、予期せぬ結末へ……2017年ニューベリー賞オナー受賞作。

〈2つの世界大戦が暗い影を落とす1943年、「オオカミ谷」と呼ばれる丘陵地で静かなくらしを送るわたしの前に、黒い心を持つ少女が現れた。わたしを、わたしの大事な人たちを、傷つけ、わなにかけ、おとしいれていく。わたしは闘うことにした。けれども、ことは、それだけですまなかった――嘘は真実をよそおい、11歳の少女を迷わせる。せつない決心は、予期せぬ結末へ……2017年ニューベリー賞オナー受賞作。ローレン・ウォーク、輝きのデビュー作。〉
一気読みでした。……続きを読む

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6位
有頂天家族
書籍:有頂天家族
(森見登美彦/幻冬舎)
レビュアー:m181さん 得票数:29
書評掲載日:2018-11-08 18:32:44
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/46155/review/216084/

 京都に狸集団出没、おいおい、狐じゃないのか!。天狗が空を飛び、人間が狸鍋を食らう。波乱万丈、親族同士の骨肉の争い。阿呆の血が騒ぎよるわ!!!。

動物が主人公とは珍しい。
それも狸だ。京都洛中、あの下鴨神社で有名な下鴨に暮らす狸一族下鴨一家。
父は、京都の狸を束ねる棟梁であったが、金曜倶楽部という面妖なる狸鍋を食する変人どもに食われて、あの世いき。
4人の息子は、ヘタレ。長男は、馬鹿の1つ覚えの虎に化け、次男は、井戸の底で蛙となり引きこもり。元の姿に戻る術を失うという間抜け。末っ子は、ただの子供。……続きを読む

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6位
フロイトの函
書籍:フロイトの函
(デヴィッドマドセン/角川書店)
レビュアー:efさん 得票数:29
書評掲載日:2018-11-08 05:13:21
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/271000/review/216115/

それはいつか消えてしまうものだから

なんとも奇妙な小説です。
不条理極まりない状況が連綿と続き、また、かなりお下劣でもあります。

主人公は……名前を思い出せません。
後に、便宜上(?)、ヘンドリックと呼ばれることになる青年なのですが。
彼は、汽車の食堂車で食事をしようとしているところです。
すると、突然汽車が止まり、灯が消えてしまったのです。……続きを読む

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10位
やぶれかぶれ青春記・大阪万博奮闘記 (新潮文庫)
書籍:やぶれかぶれ青春記・大阪万博奮闘記 (新潮文庫)
(小松左京/新潮社)
レビュアー:はなとゆめ+猫の本棚さん 得票数:28
書評掲載日:2018-11-08 05:59:32
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/270250/review/216116/

小松左京は大学の学費を漫画を描いて捻出していたらしい

戦中。戦後の混乱期、旧制中学、高校を過ごした青春記と、大阪万博にブレーンとして加わった奮闘記を収めた本。

小松は旧制中学校を終えると、親父の指示もあり旧制第3高等学校(現 京都大学教養学部)を受験し合格する。ようやく受験勉強から解放され、自由を謳歌していたとき、突然旧制の学校制度が廃止され新制の学校制度に変わり、驚くことに三高一年生の後、京都大学受験を受けねばならなくなった。大ショックを受けている。……続きを読む

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10位
僕らはまだ、恋をしていない!
書籍:僕らはまだ、恋をしていない!
(中村航/角川春樹事務所)
レビュアー:波津雪希さん 得票数:28
書評掲載日:2018-11-07 01:31:13
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/270957/review/216054/

青春もの小説だと思っていたら、意外な展開がありました。

 名古屋市にある栂山高校に入学して

体が弱い川瀬真一は、運動部を避けて文化部に入部しようと

思っていたら、同じ中学出身の遥香に

捕まってしまい、『サバイ部』に入部する。

『サバイ部』って、サバイバルをする部活なの?

え?『サバイ部』は文化部なの?

しかも、『サバイ部』の部員は変わり者ばかり。……続きを読む

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10位
蘇我氏 ― 古代豪族の興亡
書籍:蘇我氏 ― 古代豪族の興亡
(倉本一宏/中央公論新社)
レビュアー:風竜胆さん 得票数:28
書評掲載日:2018-11-07 17:20:39
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/234841/review/216085/

Old soldiers never die,they only fade away.

蘇我氏という一族について聞いたことがないという人はそれほどいないだろう。古代社会において、大王家をしのぐほどの権力を持ったが、独断専横が目立ったために、正義の味方である中大兄皇子と中臣鎌足によって討たれた。世にいう乙巳の変である。このようなイメージを持っている人も多いのではないだろうか。……続きを読む

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10位
ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 上
書籍:ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 上
(ダヴィドラーゲルクランツ/早川書房)
レビュアー:yukoさん 得票数:28
書評掲載日:2018-11-09 19:43:22
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/259189/review/216215/

ミレニアム第五弾!今回はドラゴンの意味と、リスベット・サランデルの幼少期が明らかに!

上下巻合わせてのレビューです。

前作の続きで有罪となったリスベット・サランデルは刑務所に収監されているところから物語は始まります。

刑務所内では看守までも恐れ従う、ギャングの一員である囚人、ベニートが好き放題。
美しいバングラディシュ出身の囚人、ファリア・カジは毎晩ベニートの餌食に。
それを看守たちも所長も見て見ぬふりをしていることがリスベットは気に食わない。……続きを読む

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14位
みつあみの神様
書籍:みつあみの神様
(今日マチ子/集英社)
レビュアー:あかつきさん 得票数:27
書評掲載日:2018-11-08 16:07:02
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/248062/review/174433/

今日マチ子の描く、3.11後の世界

愛らしい絵の中に、人の心の奥や肉の内側をざらっと撫でるような描写が隠れ、不思議な安堵感と、終わりのある希望と、美しい残酷性がマチ子らしい作品でした。

海辺にポツンと佇む一軒家。
周りの土地は更地になっているが、電信柱などから、かつては家が沢山あったのだろうと思わせる。
海岸線の果てには、四角い建屋が見えるが、何の説明もない。
家には「あの日」から一人になった少女が住んでいる。……続きを読む

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14位
犬を飼う
書籍:犬を飼う
(谷口ジロー/小学館)
レビュアー:ぱせりさん 得票数:27
書評掲載日:2018-11-06 10:45:11
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/270835/review/215789/

だから、愛おしさは少し寂しいし、寂しさは、とってもとっても愛おしい。

『犬を飼う』『そして…猫を飼う』『庭の眺め』『三人の日々』『約束の地』の五編の漫画作品が収録されている。
氷壁を背景にしてそれはそれは美しいユキヒョウの姿が印象的な『約束の地』を除いて、のこり四作は連作である。

『犬を飼う』は、愛犬タムタムが老いて死を迎えるまでの日々を描く。……続きを読む

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