日本古代のミステリーとして議論を生んできた「邪馬台国」。所在地も、九州説、畿内説(近畿地方説)とが有力ですが、現在も確とした結論には至っていません。というのも、その当時、日本には文字がなかったため、中国に実在するいくつかの倭人(昔の日本人)について記録した書「魏志倭人伝」を頼りにするほかないからです。しかも、その「魏志倭人伝」とは一冊の書物ではなく、三国志の一部にすぎないため、大きな謎として存在しつづけています。
今回、作家・歴史研究家の孫 栄健(ソン エイケン)によって書かれた本が、その謎に大きな解明の光をもたらすと話題になっています。
これぞ、ミステリーに匹敵する謎解きと学術書に負けない緻密さで送る知的歴史エンターテインメント!
ピックアップ書評(林田力 さん)
魏志を読むためには、魏王朝から晋王朝に続く当時の中国情勢を理解する必要がある。そもそも当時は日本という感覚さえなかった。…続きを読む
ピックアップ書評(風竜胆 さん)
中国の史書は「筆法」によって読まなければならない!邪馬台国といえば、その存在した場所を巡ってまさに百家争鳴の状態だ。何しろそのころの日本には記録したものがない。その存在を示すのは中国の史書の中だけなのである。…続きを読む
【概要】
中国史書特有の「春秋の筆法」という記述原理を史料解読に適用、これまでの論争点を次々にクリアしながら、「邪馬台国」の謎を論理的に解明する快著。3世紀の倭国の実相が浮かび上がる。
【目次】
1 魏志の再発見へ…中国史書とその論理の特徴/孔子が書いたとされる春秋の筆法
2 中国史書の論理に学ぶ…『晋書』を解読すれば/『後漢書』を解読すれば
3 『魏志』里程記事を読む…道里記事と極南の国
4 3世紀の実相…帯方郡より倭国へ/女王の周辺
5 一大率と伊都国王について…伊都国王が最大の権力者では
6 東アジアの中の倭国…卑弥呼の死 ほか
【出版社/編集者/著者からのメッセージ】
邪馬台国の位置をめぐる「距離」「方角」などの謎を、『魏志』「倭人伝」だけでなく『後漢書』『晋書』をつかいながら、連立方程式を解くように解明。画期的な新説を提出します。謎解きの面白さを堪能していただけます。
【こんな方におすすめ!】
古代史好きの方。日本史だけでなく、中国史(三国志など)、韓国史に興味がある方。
ミステリー好きな方にも。
書籍情報
書籍:『決定版 邪馬台国の全解決-―中国「正史」がすべてを解いていた』
(言視舎)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/261438/
著者プロフィール
1946 年生まれ。詩人、作家、歴史研究者。日中韓の古代史や中国古代数学にも詳しい。大阪市在住。
著書に『日本渤海交渉史』(彩流社)『邪馬台国の全解決』(六興出版)『「魏志」東夷伝への一構想』(大和書房)『朝鮮戦争』(総和社)『胡媚児』(ベネッセ)『言語のくびき』(影書房)『古代中国数学「九章算術」を楽しむ本』(2016年刊 言視舎)ほか。