学生時代にやってしまった恥ずかしい思い出って誰にでもありますよね? 『でんぐばんぐ』は90年代に宮城県の海沿いに暮らす主人公の二子は専門学校1年生。オシャレ漫画家に憧れていろいろとやらかしています。
本書のおもしろさはそのディテール。著者の学生時代をベースに90年代当時のカルチャーに憧れていた世代を上手に描いています。YUKIとか椎名林檎とかの髪型にしてみたら『ジョジョの奇妙な冒険』のブチャラティに間違えられたり(本書エピソードより)、安野モヨコに憧れたり。仲間が腐女子だったり『ジョジョの奇妙な冒険』に憧れるあまり、第4部の主人公・仗助に成りきっていたり。
20代後半から30代の方には心あたりがあるはず……(ぼくはあります 苦笑)
こういった道具立てに各種様々なパロディが埋め込まれていて、マンガ好き・カルチャー好きの方は楽しめます! 現在、『ヤングアニマル』で現在活躍中の漫画家への取材漫画「ニコ・ニコルソンのマンガ道場破り」からのネタもあるとかないとか……。
著者のニコ・ニコルソンさんは、東日本大震災により実家が被災し、津波に呑まれながらも命を取り留めた母と祖母を支えて実家の再建に取り組んだ顛末をエッセイマンガ『ナガサレール イエタテール』を書かれた方です。本書の舞台も同じ宮城県。ブログを拝見しても日常生活を切り取った作品を作るのが上手な方なのだということが分かります。
ちなみに、タイトルの『でんぐばんぐ』は二子のお婆ちゃんの口癖だそうです。どういう意味を持っているのかは下巻で明らかになるそうですよ。
読んでいてあの頃の焦燥感や世間知らず感を思い出してのたうち回りたくなる本書。共感ポイントがてんこ盛りです。
ぜひぜひ、ご応募、お待ちしております!
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以下、出版社/編集者/著者からのメッセージと書籍概要です(以下、例です)。
進路で、挫折を味わったことのあるすべての人へ。笑って癒されて!
【出版社/編集者/著者からのメッセージ】
『ナガサレール イエタテール』を作り終わったあと、流される前、実家にいた頃のニコさんとご家族がどんな生活をしていたのかを描こうと『でんぐばんぐ』は始まりました。始まってみると、90年代に田舎で青春を過ごしたすべての方に読んでいただきたい、共感度100%の青春マンガ家マンガになったと思います。
【概要】
時は90年代、これはナガサレール前のお話。
宮城県の海沿いの町でニヒルな母&ほんわかした祖母と暮らす二子は、オシャレマンガ家を目指すデザイン専門学校の一年生。
美大で絵の勉強をして…オシャレな学生たちとアーティスティックなカレッジライフを…そして在学中にマンガ家デビュー!!!
でも才能ないんだって!!! そこ…に私は入れなかったんだもん…!!実家再建エッセイ『ナガサレール イエタテール』のニコ・ニコルソン最新作!
【目次】
第1話 戸惑いSeventeen
第2話 目指せCUTiEガール
第3話 CanCam泣くな、二子!
第4話 火花がPATi・PATi
第5話 あの娘はダイヤモンド
第6話 心のZipper締め直せ
第7話 ヤングたちのサンデー
第8話 マンガ家のeggたち
第9話 少女よPenを持て!
第10話 彼の名前はJJ
第11話 婆の天然生活
第12話 本当にあった病気のはなし
番外編 ジェジェフェッショナル 仕事の流儀
あとがき