こんにちは! 本が好き!編集部の和氣です。
昨日の夜、ノーベル文学賞が決まりました!
今回受賞はベラルーシのアレクシェービッチ氏。このNHKニュースの記事によると、「普通の人々の暮らしに耳を傾けてきた作家」とのことですね。
ということで、本が好き!に投稿されているアレクシェービッチ氏作品への書評を集めてみました!
ボタン穴から見た戦争―白ロシアの子供たちの証言
あの戦争を語ることができる“最後の世代”だと自覚したからこそ、口に出したくない、思いだしたくないあれこれを、あえて口に出して語った人たちがここにもいた。
実は、「本が好き!」週間人気書評ランキングTOP10(2015/8/9~2015/8/15) 」の2位にランクインしていたかもめ通信さんの書評。
かもめ通信さんの書評は、いつもながら、非常に読み応えがあります!
ぜひ読んでいただきたいです!
戦争は女の顔をしていない
第二次世界大戦を歩兵や狙撃兵、戦車兵、衛生兵、通信兵、パイロット、パルチザンといった最前線に立つ一兵士として戦った女性たちの声を丹念に集めたインタビュー集です。ひとつひとつの証言が胸に迫ってきます。
こちらはpoppenさんの書評。
作品中から引用もしており、かなりの長文書評となっておりますが、一部しか取り上げないでこれだけの文章量になってしまう。文字数だけで測るものではないですが、書評中にもあるように
印象に残ったものを全部引用すれば膨大な量になってしまうので、ごく一部を紹介しておきたい。
ほかにどんなインタビューがあるのか。ぜひとも読みたくなる書評でした。
チェルノブイリの祈り――未来の物語
こちらはハードカバーと文庫サイズの2通りがあります。それぞれ3件と2件の書評です。
どれも読み応えのある書評で、5件とも取り上げたいので気になった部分だけを引用します。
甚大な被害を受けながらもロシアやウクライナの陰でほとんど注目されることのなかったベラルーシ――そこで十年という歳月を置いてなお生々しく語られる物語の数々は、さらなる歳月を越え、国境を越え、今「フクシマ」という時代につながる
こんなにも凄惨に語られる愛の話を、私はこの本以外に知りません。
冒頭から語られる、消防士の妻の「孤独な人間の声」、この23ページの愛の話を、当時、私は1ページ毎に本を閉じながら、いっそ読むのをやめてしまいたいと思いながら、号泣しながら読んだことを覚えています。
汚染地帯の自分の家に戻った老婆の言葉が胸に刺さる。ニュースだけは
知ることの出来ない、人々の声だ。痛いじゃねぇか。
冒頭に放射能物質と化した夫を愛し続けた妊婦の話がある。愚かと言うは愚か。シュバイツァー博士は(共産主義を防ぐための必要悪とする人に)「奇形児を生んだ母の嘆きを知らないものだけが原爆に賛成する」と言った
だけど、やっぱり「祈り」なのだ。副題は「未来の物語」なのだ。
今、ここにいて、わたしたちの祈り、未来は、どこにあるのだろう、と思う。ぱせりさんの書評から
普通の人々の暮らしに耳を傾けてきた作家
日本とはまったく違う世界の「普通の人々の暮らし」。
平和な日本に住むぼくたちが簡単に共感したり同情してはいけないでしょうが、少なくとも「こういうことがあった」と。それだけは知っておかなければいけない。
今回、書評をすべて拝読して、そう思いました。
ピックアップした書評
今回、速報ということで、アレクシェービッチ氏作品の書評を取り上げました。
かもめ通信さん、poppenさん、ぱせりさん、sashaさん、ポチいぬさん、チターチェリさん。どうもありがとうございました。