【本が好き!ランキング】今週の1位は頭木弘樹さんによる絶望本『絶望書店: 夢をあきらめた9人が出会った物語』(河出書房新社)!!

こんばんは。本が好き!編集部の和氣です。

2019年4月15日~2019年4月21日の人気書評ランキングを発表します。

1位
絶望書店: 夢をあきらめた9人が出会った物語
書籍:絶望書店: 夢をあきらめた9人が出会った物語
(山田太一、藤子・F・不二雄、BUMPOFCHICKEN、ベートーヴェン、連城三紀彦、ナサニエル・ホーソン、ダーチャ・マライーニ、ハインリヒ・マン、豊福晋、クォン・ヨソン/河出書房新社)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:32
書評掲載日:2019-04-15 05:56:03
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/275906/review/224834/

ふらっと立ち寄っただけなのに、なんだかちょっとくせになりそうな危険な書店だった。
「絶望」といえば、この人!?などと言っていいのか悪いのか、『絶望名人カフカの人生論』でお馴染みの頭木弘樹さんが編まれた“古今東西から「夢のあきらめ方」にまつわる物語を集めたアンソロジー”は、エッセイあり、小説あり、ノンフィクションあり、マンガあり、歌詞ありととてもユニークなラインナップ。……続きを読む

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2位
ブライアーヒルの秘密の馬
書籍:ブライアーヒルの秘密の馬
(メガン・シェパード/小峰書店)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:31
書評掲載日:2019-04-17 06:29:56
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/275177/review/224772/

物語る挿絵の魅力。すべてを語り尽くさないことの魅力。

翻訳家の原田勝さんのツイートで知った本です。
原田さんご自身、初の共訳だそうですが、共訳者のお名前を見て思わず声を上げてしまいました!
澤田亜沙美さん!
昨年のやまねこ翻訳クラブとの合同読書会オフに参加してくださったやまねこ会員さんではありませんか!
確か翻訳勉強中だというお話しで……そうです!この本は“あさみさん”にとって、はじめてお名前が載る本なのだそうです。……続きを読む

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3位
紫の雲 (ナイトランド叢書3-4)
書籍:紫の雲 (ナイトランド叢書3-4)
(M・P・シール/書苑新社)
レビュアー:darklyさん 得票数:29
書評掲載日:2019-04-17 20:01:53
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/276543/review/225447/

最後になるまでつかみどころがない物語だが、最後まで読めば人間に関する洞察の鋭さに驚嘆する。

まだ北極点に誰も到達したことがない時代、初めて到達した人には莫大な賞金が与えられるという。主人公アダムはその調査団メンバーの補欠であった。なんとかアダムを調査団に入れようと婚約者のクローダはやきもきしていた。そのような時、偶然にも調査団の一人が薬物により中毒死する。そしてアダムは調査団に加わることになった。……続きを読む

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4位
桜の森の満開の下
書籍:桜の森の満開の下
(坂口安吾/)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:28
書評掲載日:2019-04-19 19:17:05
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/203830/review/225546/

舞い狂う花吹雪。雪のように散る花びらの下にあるものは何か。

坂口安吾の短編。

桜の花は人を狂わせるという。
鈴鹿の山中に桜の森がある。
その山に、いつしか山賊の男が住み着いた。……続きを読む

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5位
ラピスラズリ
書籍:ラピスラズリ
(山尾悠子/筑摩書房)
レビュアー:Yasuhiroさん 得票数:27
書評掲載日:2019-04-15 12:47:45
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/191585/review/224330/

山尾悠子が20年のブランクを経て著した幻想的な連作長編。「冬眠者」をモチーフとして編み上げた言葉の迷宮。
 今朝塩味ビッテン提督から突然の活字中毒者認定を某レビューで賜ったのですが、本人はその自覚がない。だって毎日水泳してるもん、水中毒のはず。。。とか言いながら考えてみるに、この本に入れ込んでいるようではやはり立派な活字中毒者なのかなとも思ったり。というわけで、予定を変更して急遽ご紹介します。……続きを読む

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5位
明治・大正の翻訳史 (1959年)
書籍:明治・大正の翻訳史 (1959年)
(吉武好孝/研究社出版)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:27
書評掲載日:2019-04-17 23:46:05
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/276548/review/225459/

文体の確立、思想の紹介。明治・大正の文人たちの苦闘の跡。

昭和34年発行といささか古い本である。

青空文庫で翻訳に関する何人かの作家の小文をいくつか読んできて、全体として近代翻訳黎明期というのはどういう時代だったのか、少し知りたくなった。……続きを読む

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7位
豊饒の海  全4揃
書籍:豊饒の海  全4揃
(三島由紀夫/新潮社)
レビュアー:Yasuhiroさん 得票数:26
書評掲載日:2019-04-20 08:53:12
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/276540/review/225442/

三島由紀夫流美学と思索の総決算。全身全霊を傾けて「究極の小説」を書きあげた三島は、その脱稿を以て書と現実双方で自らを葬った。

天才三島由紀夫の「豊饒の海」四部作です。自身の解説によればこの小説は「浜松中納言物語」を典拠とした夢と転生の物語で

『春の雪』『奔馬』『暁の寺』『天人五衰』

の全4巻から成ります。三島が最後の最後に目指した「世界解釈の小説」「究極の小説」であり、一年も前倒しして書きあげた最終稿の入稿日に彼は陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で、血を吐くような檄が虚空に消えていくのを見届けた後、割腹自殺しました。……続きを読む

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7位
世界の真ん中の木 愛蔵版
書籍:世界の真ん中の木 愛蔵版
(二木真希子/復刊ドットコム)
レビュアー:休蔵さん 得票数:26
書評掲載日:2019-04-19 06:59:25
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/275856/review/224146/

『守り人シリーズ』の挿絵を担当した二木真希子の紡ぎ出した物語。北欧神話の世界樹を思わせる、天をも貫く大樹とか弱き人の物語。著者の訃報に対してか、愛蔵版が刊行された。

北欧神話に登場するユグドラシル=世界樹にも通ずるような巨大樹に絡む物語。
主人公のシシという少女はおばあさんと一緒に世界の真ん中に生えている巨大樹の根元の小屋に暮らしている。……続きを読む

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7位
O・ヘンリ短編集 (3)
書籍:O・ヘンリ短編集 (3)
(O・ヘンリ/新潮社)
レビュアー:すずはら なずなさん 得票数:26
書評掲載日:2019-04-15 01:56:39
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/47398/review/225304/

「最後の一葉」を含む、優しい、思いやりの詰まった「嘘」が光る15編

部屋の窓から見える蔦の葉は一枚、また一枚と落ちていく。

「あの最後の一枚が落ちたらわたしも死ぬ」
病気で弱ったジョンジーは そう言って自分が死ぬと諦めてしまっている。……続きを読む

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7位
生まれ変わり
書籍:生まれ変わり
(ケンリュウ/早川書房)
レビュアー:efさん 得票数:26
書評掲載日:2019-04-17 05:54:43
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/275189/review/225420/

お腹一杯のケン・リュウ椀飯振舞

いやあ~、大満足でお腹一杯堪能できるケン・リュウの短編集です。
全20作が収録されていますが、その厚さは上下二段組みのポケ・ミス版で549ページですから、かなりの読みごたえになります。……続きを読む

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