【本が好き!ランキング】今週の1位は韓国でも日本でもベストセラー入りした話題作 チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)!!

こんにちは。本が好き!編集部の和氣です。

2019年4月8日~2019年4月14日の人気書評ランキングを発表します。

1位
82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)
書籍:82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)
(チョ・ナムジュ/筑摩書房)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:36
書評掲載日:2019-04-10 05:28:22
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/272226/review/223778/

物語そのものには救いはない。それでも、この物語を自分のものとして受け止める多くの読者がいることに救いを見いだす。

女が女であるというだけの理由で、人生で出会う困難や差別を描き、多くの共感を得て、本国で100万部を突破、映画化も決定しているという韓国のベストセラー小説。
ちなみに韓国では100万部を突破した小説は同作を含めて3作しかないのだとか。
そう聞けば「社会現象」だといわれているのもうなずける。……続きを読む

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2位
カッコーの歌
書籍:カッコーの歌
(フランシス・ハーディング/東京創元社)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:32
書評掲載日:2019-04-08 05:34:09
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/273944/review/224668/

いやはや降参!私にはこの本のレビューは書けない。負け惜しみでいうわけではないけれど、この本の場合は特に、レビューを読むより本を読むべき! 
『嘘の木』の作者が描くファンタジーで翻訳も『嘘の木』同様、やまねこ翻訳クラブの児玉敦子さんだと聞いていたのでこれは絶対読まなくてはと、発売日前から予約して購入した。……続きを読む

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3位
その先の道に消える
書籍:その先の道に消える
(中村文則/朝日新聞出版)
レビュアー:darklyさん 得票数:30
書評掲載日:2019-04-09 21:17:34
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/271664/review/225001/

中村文則さんの昔の作品に戻ったかのような

緊縛師が殺された。刑事は捜査を始める。手がかりは被害者の手帳にあった刑事の知り合いの女性の名刺。それをきっかけに開かれるSMの世界。やがてYという男が事件の鍵を握っていることに刑事は辿り着く。……続きを読む

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4位
時間はだれも待ってくれない
書籍:時間はだれも待ってくれない
(高野史緒/東京創元社)
レビュアー:efさん 得票数:27
書評掲載日:2019-04-11 05:30:39
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/185780/review/225078/

なかなか読む機会が少ない東欧のSF・ファンタスチカ短編集

というサブタイトル通りの一冊です。
これまでにも東欧の作品はもちろん翻訳されてきましたが、ロシア語などからの重訳が多かったところ、本書では何と原語から訳してくれているそうです。
SF、ファンタジー作品は私も好きなので色々読んできましたが、本書に収録されている作品で既読のものは(長編の『もうひとつの街』の部分訳を除いて)一つもありませんでした。
とにかく、まず、収録作から何作かご紹介しましょう。……続きを読む

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4位
古代・中世遺跡と歴史地理学
書籍:古代・中世遺跡と歴史地理学
(金田章裕/吉川弘文館)
レビュアー:休蔵さん 得票数:27
書評掲載日:2019-04-08 07:02:39
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/274688/review/221919/

日本の古代・中世を歴史地理学という手法で検討した1冊。歴史学と考古学、そして地理学の融合を個人の力で実践した試みである。

歴史学は古文書などの文字史料を研究素材として、時間をキーワードとした学問分野である。
考古学は遺構や遺物といったモノを媒体とする。
地理学は地形や地割、地図や空中写真が研究素材だ。
歴史地理学は上記三学を融合させた研究分野である。
本書は多岐にわたる素材を巧みに分析した歴史地理学的研究の学術書である。……続きを読む

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4位
神様のボート
書籍:神様のボート
(江國香織/新潮社)
レビュアー:Yasuhiroさん 得票数:27
書評掲載日:2019-04-08 19:18:32
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/29793/review/224813/

母娘のねなしぐさ生活を淡々と描きながら終盤に向けて静かに狂気が加速する。江國香織の表現形式の極北を示す傑作。
 もう一つだけ、江國作品をレビューしたいと思います。「落下する夕方」は読むことを躊躇っていた作品ですが、この「神様のボート」はどうレビューしていいかを躊躇っていた作品です。ファンにとってはたまらない、彼女の表現形式の極北を示す傑作であると思う一方、ファンでない方には「なんじゃこれ」で終わってしまう可能性の高い、難しい作品なのです。……続きを読む

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7位
トーマの心臓
書籍:トーマの心臓
(萩尾望都/小学館)
レビュアー:Yasuhiroさん 得票数:26
書評掲載日:2019-04-10 08:47:06
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/40691/review/224953/

「ポーの一族」再開記念、ポーと双璧をなす傑作「トーマの心臓」をレビュー。やっぱりモー様はすごく、この作品は別格(萩洗会自画自賛)

萩尾望都先生の代表作「ポーの一族」の新連載が月刊フラワーズで再開されました。ということで、萩洗会(萩尾望都布教洗脳委員会)としては久々のモー様レビューをせねばいけません(断定調)。……続きを読む

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8位
バレエシューズ
書籍:バレエシューズ
(ノエル・ストレトフィールド/福音館書店)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:25
書評掲載日:2019-04-12 05:45:22
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/274412/review/223894/

作家朽木祥さんが翻訳を手がけたと聞いて興味本位で手を伸ばしてみた。

1930年代に書かれたイギリス児童文学。
自身も舞台女優の経験を持つという著者が描くのは、ひとつの道に入ってきびしい訓練を受け、その中で成長していく子ども像を描いたいわゆる“職業小説”だ。
何度か翻訳されているが、今回が初の完訳だという。……続きを読む

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8位
もうひとりの魔女
書籍:もうひとりの魔女
(入間人間/KADOKAWA)
レビュアー:波津雪希さん 得票数:25
書評掲載日:2019-04-10 20:47:13
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/276310/review/225064/

魔女と云っても魔法は使えません! それなのに何故、魔女と呼ばれている?

藤沢家に居候する魔女には名前がなく、只『魔女』と呼ばれている。しかも、魔法で何かをすることもなく藤沢家の押入れに、ぬくぬくと暮らしている。

しかし、魔女は寿命が短いらしく、生まれ変わると前回の記憶がうやむやになるだけでなく、顔や姿も変ってしまうから、生まれ変わることに何のメリットがあるのかと思ってしまう。……続きを読む

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10位
訪問者
書籍:訪問者
(萩尾望都/小学館)
レビュアー:Yasuhiroさん 得票数:24
書評掲載日:2019-04-11 11:50:35
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/76974/review/224956/

「トーマの心臓」のスピンオフ、オスカー・ライザーと父の放浪の物語。最後は号泣必至なのでハンカチを用意して読みましょう。

 前回紹介した「トーマの心臓」の重要登場人物、オスカー・ライザーを主人公としたスピンオフ作品「訪問者」です。

オスカーの出生にまつわる秘密……。それが父母の愛を破局に導き、思いがけない悲劇を呼び寄せた。母を亡くしたオスカーと父グスタフのあてどもない旅が始まる。(AMAZON解説より)……続きを読む

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