【本が好き!ランキング】2018年9月の人気書評1位はひたむきな姉弟のまっすぐな生き様に心洗われる『夜の庭師』!

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こんにちは。本が好き!編集部の東郷です。

2018年9月の人気書評ランキングを発表します。

(同じレビュアーさんが違う書評でランクインしていた場合はより上位の書評のみを掲載。つまり2018年9月で、投票数が上位だった10人の書評が掲載されています!)

1位
夜の庭師 (創元推理文庫)
書籍:夜の庭師 (創元推理文庫)
(ジョナサン・オージエ/東京創元社)
レビュアー:yukoさん 得票数:53
書評掲載日:2018-09-17 21:57:55
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/243100/review/212457/

私には「勇気」はないけれど、彼らの勇気と愛に少しは心救われたような・・・

いやー、全然本を読めない鬱状態から、ちょっとずつ読める状態にまではなったものの、書評はもう二度と書けないかも…
とうじうじしつつも、皆さんの書評を読んで、これ、読めるようになったら読みたいな…
と思ってたのがこの本でした。

14歳のモリーは物語をつくりだす天性の語り手。
生まれつき足の悪い弟、キップと飢饉に襲われたアイルランドから命からがら船でイングランドにやってきて、やっとのことで姉弟揃って雇ってくれるお屋敷を見つけたものの、そのお屋敷へ向かう道中、出会った人々皆にあの家へ行くのはやめておけ、と脅されます。

一体自分たちが向かっている雇い先はどんな屋敷なのか。……続きを読む

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2位
トリフィド時代 (食人植物の恐怖)【新訳版】
書籍:トリフィド時代 (食人植物の恐怖)【新訳版】
(ジョン・ウィンダム/東京創元社)
レビュアー:darklyさん 得票数:45
書評掲載日:2018-09-13 17:51:27
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/268085/review/210929/

破滅SFの傑作とされているが、私にはSFという色彩よりも哲学的な問いの物語と思えた。

大流星群を見上げた人々は翌日すべて失明しパニック状態に陥ったロンドン。目の手術のおかげで流星群を見なかったウィリアム・メイスンは失明を免れたが途方に暮れる。少数の視力のある人々との離合集散、様々な考え方が渦巻く中、愛する人と娘とともに見えない将来を模索する。
しかし、人類は人類が自ら作り出し予想がつかない進化を重ねるトリフィドという動く植物によって少しずつその生存を脅かされる状況となっている。

一見、単なる思い付きのパニック小説のようですが、よく考えてみるととても示唆に富むよく練られた小説と気づきます。……続きを読む

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3位
セーヌ川の書店主
書籍:セーヌ川の書店主
(ニーナ・ゲオルゲ/集英社)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:43
書評掲載日:2018-09-03 05:57:17
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/267885/review/210746/

ちょっと甘味が強い気がしないでもないけれど、旅も料理も恋愛も本と相性がいいのは明らか。

ドイツの作家によるフランスを舞台にした物語。
主人公はセーヌ川に浮かぶ船上で書店を営んでいる50代の男性。
舞台はパリからセーヌ川を下り南フランスへ。

そう聞けば、本に関するうんちくはもちろん旅行気分も味わえるかも!と
読む前から期待が高まる。

もっとも書店主を主人公にした物語というのは、
一つ間違えると、本の紹介がとってつけたようだったり、
押しつけがましい感じがしたりしてしまう危険もあるので注意が必要だ。
そんなわけで、ちょっとばかり斜に構え、
用心しながらページをめくってみることに。……続きを読む

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4位
火の鳥 6・望郷編
書籍:火の鳥 6・望郷編
(手塚治虫/朝日新聞出版)
レビュアー:あかつきさん 得票数:36
書評掲載日:2018-09-23 11:37:30
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/269370/review/212886/

この物語が「創世記」をモティーフとしているのは明らかだ. 主人公:ロミはつまりイヴなのだが,では彼女の原罪とは何なのか.

初めて読んだ手塚作品がこの「望郷編」だった.「マンガ少年」の別冊版で,母の衣装箪笥に隠されていたのを発見したのが10歳頃.同時期に同じ場所から発掘したのが同じく「マンガ少年」の「地球へ…」で,この二作が私の中に刷り込まれてしまったんですな.奇しくも二作とも「地球帰還」を目指す物語だった.(徳島から縁もゆかりもない山口に嫁ぎ,子供らの教育に悪いからと夫=わたしの父に漫画を禁止されていた母が,この二作を隠し持っていたこともなにかしら象徴的だ)
そのせいか,私は今でも宇宙の果てを目指すSFより,帰還をめざすSFの方が好きだ.
地球はなにもかもみな懐かしい.ね,沖田艦長,ネモ船長.……続きを読む

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5位
殺人者の記憶法 (新しい韓国の文学)
書籍:殺人者の記憶法 (新しい韓国の文学)
(キムヨンハ/クオン)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:35
書評掲載日:2018-09-06 14:26:19
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/261621/review/211720/

俺は連続殺人犯。アルツハイマーで記憶を失いつつある。たった1つ覚えておかなくてはならないのは、1人娘の命を守ること。

韓国の作家、キム・ヨンハの異色クライム・サスペンス。映画化もされている。

主人公の「俺」はかつての連続殺人犯。実の父親を始め、多くの人を手にかけてきたが、あるきっかけでしばらく殺人は犯していない。
1人娘のウニは実は養女で、年は祖父と孫ほども離れている。
「俺」はアルツハイマー病と診断されている。
ある日、街に連続殺人事件が起こる。もしやその犯人は「俺」なのか?
消えゆく記憶。ウニに迫る魔の手。「俺」はウニを守りきれるのか。……続きを読む

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5位
カラマーゾフの兄弟〈上〉
書籍:カラマーゾフの兄弟〈上〉
(ドストエフスキー/新潮社)
レビュアー:はるほんさん 得票数:35
書評掲載日:2018-09-21 08:48:20
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/76104/review/212430/

だんご三兄弟 ~基本のカラ兄

村上春樹氏によると、世の中には2種類の人間がいるという。
『カラマーゾフの兄弟』を読破した者と、読破していない者だ。(確かに)

翻訳作品をあまり読まない自分だが
地下室の手記を読んだイキオイ、いつかカラ兄をという野望を灯した──のが5年前。
私の野望は低燃費・長持ちなのが自慢だ。

折角上中下巻もあるので、3視点でこの文学作品を語りたい。
①カラ兄とは ②読んでない人向け ③読んだ人向け
という訳で、今回は基本のカラ兄である。……続きを読む

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5位

書籍:ルパンの消息
(横山秀夫/光文社)
レビュアー:m181さん 得票数:35
書評掲載日:2018-09-22
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/27298/review/212651/

ミステリー界の大物横山秀夫のデビュー作。アニメルパン三世とも微妙にタッチしている秀作でした。

横山さんと言えば、警察小説の妙手として有名ですね。
代表作は「半落ち」ですが、僕が好きなのは「クライマーズ・ハイ」
そして、「64(ロクヨン)」。これは、絶対のおすすめです。
「このミステリーがすごい!」のランキングの常連で、ヒット作を連発している大物です。

その横山さんのデビュー作が、本作品です。……続きを読む

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5位

書籍:遊廓に泊まる (とんぼの本)
(関根虎洸/新潮社)
レビュアー:有坂汀さん 得票数:35
書評掲載日:2018-09-09
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/268836/review/211903/

本書は売春防止法施行から60年。転業旅館や飲食店として今なおその姿を留める元妓楼を作者が全国各地を歩いて現役営業中の「泊まれる遊廓」を渾身取材した一冊です。多くの女性が妍を競った姿がしのばれます。

昭和33年4月、売春防止法が施行され、多くの女性たちが妍を競った「遊廓」は日本地図から消え、娼妓たちは去り、建物が残ったわけですが、あるものは元妓楼経営者の住処となり、またあるものはアパートや店舗となったそうです。

本書はさまざまな形で今なおその姿を現在にとどめる20の「夢の跡」を筆者が一つ一つ訪ね歩いて取材し、纏め上げた奇跡の一冊です。……続きを読む

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9位

書籍:ダーウィンと旅して
(ジャクリーン・ケリー / ほるぷ出版)
レビュアー:Wings to flyさん 得票数:34
書評掲載日:2018-09-20
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/269216/review/212652/

「拾ってきてはいけません」という規則をものともせず、家族に隠れて養われる森のみなしご動物たちの事件が微笑ましく、時に胸を締め付ける。

1900年、テキサスの田舎町に住むキャルパーニアは13歳になる。事業を営む彼女の家はとても裕福で、キャルパーニアは7人の子どものうち唯一の女の子だ。母の夢は、女性らしい特技を身につけた娘を社交界にデビューさせ、家柄の良い結婚相手を見つけることだが、キャルパーニアは料理や手芸やピアノの練習に息が詰まりそうになる。

伸び伸びと幸福でいられるのは、大好きなおじいちゃんと森へ出かけて動植物の観察や標本採集をする時。それから、おじいちゃんが「楽しい旅を」と言って誕生日にくれたダーウィンの『ビーグル号航海記』を読む時なのだ。……続きを読む

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9位

書籍:企画展だけじゃもったいない 日本の美術館めぐり
(浦島茂世/ジービー)
レビュアー:たけぞうさん 得票数:34
書評掲載日:2018-09-17
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/268115/review/212324/

常設展はとても重要ですね。

大手の美術館を中心に、著名な画家やコレクションの企画展があちこちで
開かれています。やはり人気が高いですし、話題性も多く、マスコミに
取り上げられます。並んでも見たい作品というのは分からないでもないです。

しかし、しかしですよ。あまりにも混雑していたら、列の後ろの人からの
プレッシャーで数十秒しか作品の前に立てなくて、充分楽しめたかというと
疑問が残りませんか。
企画展の中にも、話題作以外にもいい作品があります。
わたしは、そんな空いている作品のなかで好みのものを見つけては、
時間をたっぷり注いだりします。……続きを読む

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9位

書籍:ぼくの翻訳人生
(工藤幸雄 / 中央公論新社)
レビュアー:風竜胆さん 得票数:34
書評掲載日:2018-09-17
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/268782/review/212274/

なんだかとっても親近感が湧きます。

本書はかなり昔に買ったものだ。これまでずっと本棚の肥しになっていたのだが、やっと読むことができた。調べてみると、著者は2008年既に鬼籍に入られているが、買ったのはおそらくそれより前だったと思う。本書は著者の自分記ともいえる内容だろう。

著者は、4浪して旧制一高に入った苦労人だ。当時は旧制高校に入るのが一番難しく、それを突破すれば大体が帝大に進学できたという話はよく聞く。東大の仏文科を卒業しているのだが、なぜか翻訳書はポーランド語からのものがほとんどである。もちろん今の東大よりは段違いに難しい。……続きを読む

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