【本が好き!ランキング】今週1位は祝 #新潮クレスト・ブックス #創刊20周年 の参加書評 レベッカ・マカーイ『戦時の音楽』!

こんばんは。本が好き!編集部の和氣です。

2018年7月30日~2018年8月5日の人気書評ランキングを発表します。

1位
戦時の音楽
書籍:戦時の音楽
(レベッカ・マカーイ/新潮社)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:39
書評掲載日:2018-07-30 05:20:48
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/266530/review/209235/

どこかで耳にした音楽が、頭の中で繰り返し繰り返し再生されて、気がつくとついつい口ずさんでいる。そんなことって時々あるよね? #新潮クレスト・ブックス 
「戦時の音楽」というタイトルを目にしたとき、私が最初に思い浮かべたのはショスタコーヴィチの「レニングラード」だった。
( 『戦火のシンフォニー: レニングラード封鎖345日目の真実』)……続きを読む

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2位
春の宵
書籍:春の宵
(クォン・ヨソン/書肆侃侃房)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:34
書評掲載日:2018-08-01 11:04:18
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/265497/review/208479/

「分子にその人のいい点を置いて、分母に悪い点を置くと、その人の値打ちがわかる」としたら、私やあなたの値打ちは1より小さい?それとも大きくなるかしら?

書肆侃侃房の韓国女性文学シリーズは全部読もうと決めているので事前に内容をチェックすることなく本を手にした。……続きを読む

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2位
水の継承者 ノリア
書籍:水の継承者 ノリア
(エンミイタランタ/西村書店)
レビュアー:darklyさん 得票数:34
書評掲載日:2018-08-01 20:25:27
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/236177/review/209194/

決して派手ではないSFであるが、近未来の世界観のリアルさと人の生き方について考えさせられる。

人類は終わりなき資源の争奪戦を繰り広げた挙句、地球環境は破壊され水も含めて利用可能な資源はほとんど失われ北極圏に近い地域に住んでいた。現代の技術も失われ電気機器などその名残はプラスティック墓地と呼ばれるゴミの山の中にあるだけである。為政者はいつの時代もあるように自分たちを正当化する歴史を人々に信じ込ませている。……続きを読む

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4位
4歳の僕はこうしてアウシュヴィッツから生還した
書籍:4歳の僕はこうしてアウシュヴィッツから生還した
(マイケル・ボーンスタイン、デビー・ボーンスタイン・ホリンスタート/NHK出版)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:33
書評掲載日:2018-08-03 06:11:53
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/263641/review/208799/

ホロコーストを生き延びたひとりの少年の物語であると同時にある家族の歴史でもあるノンフィクション。

「B-1148」
ポーランド生まれの引退した薬学者、マイケル・ボーンスタインの腕には入れ墨が彫られている。
かつては、もしもその入れ墨に目をとめた誰かに、なにかを尋ねられたなら、アウシュヴィッツの名前を出しはしたが、すぐに話を切り上げることにしていたのだという。……続きを読む

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4位
ミルク殺人と憂鬱な夏──中年警部クルフティンガー
書籍:ミルク殺人と憂鬱な夏──中年警部クルフティンガー
(フォルカー・クルプフル、ミハイル・コブル/早川書房)
レビュアー:Wings to flyさん 得票数:33
書評掲載日:2018-07-31 20:28:07
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/239501/review/209339/

事件より手ごわいのは、警部の奥さんなのだ。ほんわか牧歌的な温もりに和んでしまいます。

この作品の舞台、南ドイツのアルゴイ地方は、小さな丘や渓谷が点在する風光明媚な場所です。牛がモーモーしているだけの静かな田舎に、重大事件が発生しました。チーズ製造会社の部長が殺されたのです。捜査責任者・クリフティンガー警部の(訛りのひどい)上司に言わせれば「どんでもないごど」です。「じんちょうに」捜査を進めなくてはなりません。でも、主役の警部はあんまり鋭くなさそうです。……続きを読む

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6位
文字の消息
書籍:文字の消息
(澤西祐典/書肆侃侃房)
レビュアー:mono sashiさん 得票数:32
書評掲載日:2018-08-02 15:13:04
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/265870/review/208477/

ことばの断想 ~「文字の消息」を読んで~

表題作「文字の消息」は、息子の嫁宛てに手紙をおくる老夫婦が、次第に文字の毒気にあたり世界から疎外されていく、ディストピア風の幻想小説である。手紙形式で進む小説のなかで、語り手の妻が文字の積もった光景を前にして、ひどく思い詰める箇所がある。……続きを読む

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7位
変身・断食芸人
書籍:変身・断食芸人
(カフカ/岩波書店)
レビュアー:barbarusさん 得票数:31
書評掲載日:2018-08-04 15:03:40
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/12546/review/209572/

「俺、なにやってんだろ・・・」と思う時。

ある日突然大きな毒虫に変身した青年グレゴール・ザムザの顛末を描く『変身』と、数十日に渡る”断食芸”で一世を風靡しながら時代とともに忘れ去られ、それでも独り断食を続ける男の末路を描く『断食芸人』の二編を収録。両編ともに主人公と周囲の人物との齟齬が痛々しく、時に滑稽な文章がより読む側を鞭打つ。……続きを読む

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8位
神さまたちの遊ぶ庭
書籍:神さまたちの遊ぶ庭
(宮下奈都/光文社)
レビュアー:oldmanさん 得票数:30
書評掲載日:2018-07-30 22:32:06
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/251974/review/209309/

ウラヤマシイ!  こんな風に一年間を過ごせるなんて、本当にうらやましいぞ。

皆さんの書評を読んで買ったけれど、ずっと積んであった一冊です。

宮下さん一家が北海道大好きのご主人の希望で北海道に移り住むのですが、帯広だった当初の予定がこれまたご主人の思い付きでいきなりトムラウシ山麓の新得町屈足という山奥に山村留学という形で住むことになったのです。……続きを読む

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8位
奥のほそ道
書籍:奥のほそ道
(リチャード・フラナガン/白水社)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:30
書評掲載日:2018-08-01 15:15:20
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/265276/review/209435/

THE NARROW ROAD TO THE DEEP NORTH。細く険しい道。それは地獄へと続くのか。

著者リチャード・フラナガンはオーストラリア・タスマニアに生まれ育つ。
12年の歳月を掛けて書かれた本作は、「捕虜番号サンビャクサンジュウゴ(335)に捧」げられている。すなわち、日本軍の捕虜となり、泰緬鉄道建設に従事させられた著者の父アーチー・フラナガンである。……続きを読む

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10位
ミッキーマウスの憂鬱
書籍:ミッキーマウスの憂鬱
(松岡圭祐/新潮社)
レビュアー:oldmanさん 得票数:29
書評掲載日:2018-08-03 16:02:12
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/1832/review/209461/

『ここまで書いて委員会』と言ってしまいそうな小説。よくもここまでTDRの裏を暴いちゃってさぁ……でもねぇ、ディズニーって僕らの年代には特別なんだよなぁ。
この本については、単行本の段階ではるほんさんの名(迷?)書評 が有ったので読んでみました。

フリーター生活の後藤大輔は派遣社員として東京ディズニーランドに派遣されます。テストは散々な結果でしたが、やる気と元気を買われて準社員(アルバイト)に採用されます。
勇んで行ったディズニーランドで配属されたのは美装部。ヌイグルミをキャストに着せたり脱がせたりする裏方でした。……続きを読む

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10位
庭師 ただそこにいるだけの人
書籍:庭師 ただそこにいるだけの人
(ジャージコジンスキー/飛鳥新社)
レビュアー:星落秋風五丈原さん 得票数:29
書評掲載日:2018-08-03 18:56:56
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/178123/review/202678/

庭師から大統領候補へ 数奇な運命を辿る男の話

生まれてすぐ富豪に育てられ、屋敷と庭から一歩も外に出た事がないチャンス。彼は、庭仕事をしている以外はひたすらTVを見ている。そんなある日、主人が急死し、使用人としても家人としても記録になかったチャンスは、屋敷を出なければならなくなる。チャンスが最後にたどり着いた場所とは?……続きを読む

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10位
虹の岬の喫茶店
書籍:虹の岬の喫茶店
(森沢明夫/幻冬舎)
レビュアー:ことなみさん 得票数:29
書評掲載日:2018-08-02 17:02:53
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/180219/review/209501/

生きるって、祈ることなのよ。 トンネルを抜けたら、ガードレールの切れ目をすぐ左折、雑草の生える荒れ地を進むと、小さな岬の先端に、ふいに喫茶店が現れる(帯より)

図書館のお勧めで読んだ。噂では聞いていたが、もう胸が詰まって、二度読んだ。
将来の目標はミス・マープルさんだったけれど、しばらくは悦子さんがいい、そうしよう。……続きを読む

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13位
その男ゾルバ (東欧の文学)
書籍:その男ゾルバ (東欧の文学)
(ニコス・カザンザキス/恒文社)
レビュアー:ぷるーとさん 得票数:28
書評掲載日:2018-07-30 16:47:57
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/251399/review/209282/

ギリシヤ人が憧れる、誰よりもギリシヤ的な男。

知り合いからクレタ島の亜炭鉱経営権を借り受けた主人公は、港の酒場でマケドニア人のゾルバ(ゾルバス)と出会った。一介の労働者でしかないゾルバだが、彼の開けっ広げで自由な人柄と、人生経験に基づくその語りに魅かれて、主人公は彼を炭鉱の監督として雇うことにした。そして、クレタ島の田舎町で二人の共同生活が始まった。……続きを読む

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13位
エッジウェア卿の死
書籍:エッジウェア卿の死
(アガサ・クリスティー、福島正美/早川書房)
レビュアー:efさん 得票数:28
書評掲載日:2018-08-01 05:07:47
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/239160/review/209399/

このトリックは秀逸だ! この作品は推せますよ!/ポアロしらみつぶし企画9

奔放で自分の望むものは何でも手に入れてきた美人女優のジェーンは、エッジウェア卿と結婚していました。
しかし、既に結婚生活は破綻しており、ジェーンは家を出ていたのです。
ジェーンは、次の結婚相手として、裕福で地位も高いマートン公爵に狙いを定めていました(男性としてはつまらない男かもしれませんが、結婚すれば公爵夫人ですからねぇ)。……続きを読む

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13位
まどか26歳、研修医やってます! 女の子のお仕事応援コミックエッセイ (メディアファクトリーのコミックエッセイ)
書籍:まどか26歳、研修医やってます! 女の子のお仕事応援コミックエッセイ (メディアファクトリーのコミックエッセイ)
(水谷緑/KADOKAWA/メディアファクトリー)
レビュアー:あかつきさん 得票数:28
書評掲載日:2018-08-04 17:00:12
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/248447/review/174987/

降り積もった後悔に突き動かされて、次へ走るしか道がない。 後悔に突き動かされなくなったら、その時は成長が止まる時だ。

まどか先生は外科系志望の研修医。将来専修する科や女性としての将来をどうするかお悩み中。はっきり描かれていないが、研修病院はおそらく300-500床くらいの中核病院だろう。……続きを読む

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