こんばんは!
コラボ読書会終了後の本が好き!オフィスからこちらを書いております。
課題図書の選定から本が好き!レビュアーの皆さまにご参加いただき、最終的には満員御礼となりました。暑い中、ご参加いただき誠にありがとうございました!
それでは、当日の様子をお伝えするためにも今回の会場は、本が好き!オフィスの会議室なので、その紹介をば……
この会議室は、ぼくが普段仕事している本が好き!オフィスの本当にすぐそばなので、そんな場所に参加者の皆さまが来てくださるというのは、とてもエキサイティングな経験でした。
さて、会の様子です。
参加者の皆さんは、小説を読む読書会がないので探していたところ、このコラボ読書会を見つけご参加いただいたようです。そんなわけなので、小説読みの方が多く、様々な意見が出ました。その一部をご紹介いたします。
「この物語のタイトルは『戦場のコックたち』だけどコックである必要ないんじゃないか?」
「第三章までは説明が長いだけで、ミステリー要素も含め必要ないんかなじゃいか?」「いや、その第三章までがあったからそのあとの盛り上がりがあるんだ」
「キャラクターが立っているので読んでいて面白かった」
「エンタメ小説として読めば楽しいがミステリーとしてはやや薄い」「いやミステリーとして読んでも構成がしっかりしていて道具立ても良い」
いやーひとつの本でもいろいろな読み方があるんですね! 僕なんかはキャラクターに引き寄せられる方なのですが、「ミステリーとしてどう読むか?」という視点もあったりして、十人いれば十人の読み方があるのだなと考えさせられました。
話が進んでくると、著者ってどんな人なのかといった話も出てきましたので、本が好き!に上げられております書評を紹介。
特にタカラ~ムさんの書評は参考になりました。
深緑野分は、どうして初めての長編小説の題材に、第二次世界大戦のヨーロッパ戦線を選んだのだろう。その理由について、「ハヤカワ・ミステリマガジン2015年11月号」の「迷宮解体新書(89)深緑野分」によれば、海外テレビドラマ「バンド・オブ・ブラザーズ」の影響があると記されている。
では、なぜ主人公たちの役割をコックにしたのか。その理由を著者自身がこう語っている。
「戦場という次々と人が死ぬなかでの日常の謎というギャップが面白いと考えた際、食べるという行為も、その謎と同じく、死ではなく生に繋がると思ったんです」
さらにさらに、今回はご担当編集者様にコメントをいただきましたので、これも公開。
「本書を制作する際のこぼれ話」
いちばん最初は架空の国を舞台に、トマス・フラナガン『アデスタを吹く冷たい風』のような兵士を探偵とした連作謎解き小説という方向でご相談していました。
実際頂いてみると兵士が謎解きという点以外まったく別ものになっていましたが、小説というのは本当に生き物だなあと感心しました。「どのような方にお勧めか」
いわゆるアメリカのマッチョなGIのイメージからほど遠い、平凡な19歳の青年の視点から語られるので、戦争にまったく興味がない(むしろ忌避感を覚える)方にこそ、おそれず手に取っていただきたいです。「こんなところがオススメ!」
合衆国側から見た第二次世界大戦の姿でしょうか。あまり国内で書かれる小説では、見かけられない視点だと思いますので。
また、兵士だけでなく、その家族や一般市民の悲喜が短くも心に残るかたちで描かれています。ストーリーだけでなく、細やかなエピソードにもぜひご注目下さい。
「(差し支えなければ)著者のお人柄についてひと言」
大変な努力家で、小説に対して真摯な作家さんですが、同時にお話ししているだけでこちらもニコニコしてしまう、じつにチャーミングな人です。
作品を読んだことがない方でも、会った途端に深緑さんのことが大好きになると思います。あと、動作が愛らしいというかぶっちゃけコミカルで、見ていて心が癒されます。
これには参加者の皆さんも喜んでいただけたようです。これを受けて話も盛り上がり、
「トマス・フラナガン『アデスタを吹く冷たい風』が物語たたき台として挙げられていたということにとても納得がいった」
「新人作家さんと聞いて納得。きっといろいろ書きたいことがあってそれを詰め込んだのだろうと思う。でも、これはこれでおもしろい」
といった意見をいただいたり、「ふだんどうやって本を選んでいるか?」といったところまで話題が飛んだりして、『戦場のコックたち』を中心に楽しく本の話しができて、主催者としても嬉しかったです!
(ご担当編集者様からのコメントを印刷したプリントと『戦場のコックたち』の本が好き!書評の小冊子を参加者の皆さまにプレゼントいたしました。)
最後に、参加者の皆さまには、暑い中、またお忙しい中、お集まりいただき誠にありがとうございました。ぜひ本が好き!で『戦場のコックたち』の書評を書いていただければ嬉しいです! また、本稿を読んで本書にご興味を持たれた方も、ぜひご一読して、本が好き!に書評をお書きくださいね! あらたな書評を楽しみにお待ちしております!
次回は8/18(水)の開催予定です!
課題図書候補についても後日、アップしますので乞うご期待ください!