治験バイトってご存知でしょうか。
治験それ自体は、新薬などの効果や安全性を確認するために必要な臨床試験で、大変真面目で真っ当なものです。
しかしこれが、投薬さえ指示通りに受けていればあとは本を読むなりゲームをするなり自由。眠くなったら寝ればいいし3食付きでバイト代(しかも意外と良い)までもらえる、と。
参加するのはフリーターあるいはニートと呼ばれる方たちがほとんどで、万一薬の副作用などがあっても「まぁ仕方あるまい」という人たちなわけで、なんだか割り切れぬ空気がただよって参ります。
さてウィークリー書評ランキングです。
1位
“「治験」は割のいいバイトである・・・とは聞いたことがあったが、それを職業とする人がいるとは!「プロ治験者」となった男のアブない記録。 ”
書籍:『職業治験 治験で1000万円稼いだ男の病的な日々』
(八雲星次/幻冬舎)
レビュアー:はにぃさん 得票数:27
書評掲載日:2014-01-29 07:15:09
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/211683/review/115263/
私も実は「治験バイトやる?」って紙を渡されたことがあります。学生時代に。
しかしその“紙”がなんともお粗末で、家庭用のインクジェットプリンタで印刷したのを定規当ててチギッたみたいな、そんなのだったので断りました。
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2位
“人という音楽が爆音で流れている。”
書籍:『罪と罰〈1〉』
(フョードル・ミハイロヴィチドストエフスキー/光文社)
レビュアー:kon吉さん 得票数:26
書評掲載日:2014-01-30 01:22:23
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/6739/review/115305/
どすとえふすきーなんて、聞いただけで読むのめんどくさそうで、実際読んだことなかったのですがすみませんごめんなさい。
“人という音楽が爆音で流れている。”のひと言でなんか読みたくなっちゃったんですよね。
なんかかっこいいなぁこの書評。
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3位
“イェーツの詩にそっと託された、作者の気持が伝わってくる。
孤独のやるせなさ、薄れても消えることのない悲しみ。それが霞のように漂う様は、淡い寒色で描かれた水彩画に似ている。”
書籍:『銀の画鋲~この世の果ての本屋と黒猫リュシアン~』
(智佳子サガン/書肆侃侃房)
レビュアー:Wings to flyさん 得票数:25
書評掲載日:2014-01-28 09:15:03
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/213307/review/114784/
世の中のモノゴトは全て猫っぽいかそうじゃないかで二分できます。
ただ小説なんかは猫がでてくるか、こないか、という単純な話ではない場合があります。
確かに猫がでてくる大抵の小説は猫っぽいのですが、この本は、なんか違うみたいですよ。
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4位
“まったく厭な小説です(悪い意味ではなく)”
書籍:『ハリガネムシ』
(吉村萬壱/文藝春秋)
レビュアー:hit4papaさん 得票数:24
書評掲載日:2014-01-31 22:22:04
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/13956/review/115338/
ハリガネムシってあいつですよね?いやぁあれはダメだ。
ご存じない?ググってみてください。いや、やっぱりやめたほうが良いです。
この本、主人公がハリガネムシなんでしょうか、それとも逆なのか、いやそれともハリガネムシは……あなた?
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5位
“それにしても「本が空から落ちてくる」って夢があっていいなー。本書読了後の自分のイメージとしては、Kindleで本を買うと、電子書籍は実個体として体をなしていないので、その本で使われているすべての活字がざーっと降ってくるという感じ。ちょっと過激だけど、活字シャワー。至福。”
書籍:『Kindle 新・読書術 すべての本好きに捧げる本』
(武井一巳/翔泳社)
レビュアー:よみかさん 得票数:23
書評掲載日:2014-01-28 19:29:11
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/204609/review/115238/
アフリカとかインドの辺境地では、ガスや水道はないけどスマホが普及し始めているらしいです。
学校は無いけどスマホはある。
電子書籍はそういう人たちに1冊10円で売ればいいと思うんですよ。
「勉強したい」そのモチベーションは日本人1億人分集めても彼ら一人に敵わないくらいですから、日本の100倍は売れるはず。
そしらた10円で儲かります。電子なら印刷代とか紙代かからないから1冊が安くても山ほど売れれば良い訳です。
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6位
“さて、この本。結構読んだなぁーと思って次に読もうと手に取ると
これが意外にもページが進んでいない。
読んでも読んでもページが増えているような…。
そんな不気味な錯覚がちょっと怖かった(笑)”
書籍:『残穢』
(小野不由美/新潮社)
レビュアー:Kuraraさん 得票数:22
書評掲載日:2014-02-01 00:06:59
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/196658/review/115324/
日本独特の“怖さ”ってなんなんでしょうか? ゾンビとか大爆発ではなくて洗面台に髪の毛が溜まってるとか……。
私の人生で一番怖かった体験は、渋谷を歩いていたら見知らぬ女性から突然「5年前位に私のことナンパしましたよね?」って言われたことです。
何故怖かったかというと、ホントにその人をナンパしたことを思い出したからです。
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7位
“かれらの夢は悲劇にくじかれる終結をとるが、それが叶わなかったのは、決して偶発的な事故によるものではない。かれらの夢を打ち砕く布石はさまざまに打たれていて、その悲劇が起こらなくとも、別の何かがかれらを阻むに違いない。だれもやった者がいないということは、そういうことなのだ。まことやるせない、けれど、人の温かさに救いの残る、味わい深い作品。”
書籍:『二十日鼠と人間 (1953年)』
(スタインベック/新潮社)
レビュアー:b-be-bさん 得票数:21
書評掲載日:2014-02-01 23:21:38
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/213867/review/115403/
失敗や悲劇で終わる小説は、結末に向かう過程で読者にどれだけその悲劇の中に何かを見いだしたいと思わせるか、ということに尽きると思っています。
悲劇の中に絶望を見いだしたくなるようなヒネクレタお話を書く作家もいますが、それはそれで大変な力量なのではないかと。
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7位
“未だに階級社会と言われるイギリス。その実態を英語のアクセントを軸に分析し、発売当時イギリスでタブーに挑戦したとセンセーションを巻き起こした(らしい)英語やイギリスに興味がある人にお薦めの本です。”
書籍:『言葉にこだわるイギリス社会』
(ジョン・ハニー/岩波書店)
レビュアー:ツンドクさん 得票数:21
書評掲載日:2014-02-01 23:09:04
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/213848/review/115380/
イギリスというかヨーロッパって階級意識、いやはっきり言えば差別が根強いですよね。
私はなぜか白人から差別的な態度を取られた経験が多く(海外経験は多くないんですが)、その辺結構敏感です。
ただ「俺の爺ちゃんサムライだぞ」って行った途端、神の如く崇められました。サムライってなんなんですかね?
ちなみにうちの爺ちゃんはサムライじゃないです。
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7位
“「大好き!!」と飛びつくほどではないけれど、(なかなか素敵な方たちじゃないじゃない!)とにっこり握手を求めたい。そんな兄妹に出会った。”
書籍:『私の大好きな探偵―仁木兄妹の事件簿』
(仁木悦子/ポプラ社)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:21
書評掲載日:2014-02-01 19:14:56
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/16191/review/114686/
充電期間が必要になるほど消耗する読書、というところまで行けば、読書から得るものがとても大きくなるのかも知れません。
次に何を読むかということがまるで転職先を探すような、あるいは今日こそはあいつにヒトコト言ってやるという決断のような、人生の岐路ほどの意味をなしていくのでしょうか。
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7位
“冬場は虫に、夏になったら植物に。”
書籍:『冬虫夏草』
(梨木香歩/新潮社)
レビュアー:たけぞうさん 得票数:21
書評掲載日:2014-01-29 03:41:15
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/211133/review/113987/
“冬虫夏草を題材に種を越えての異類婚、すなわち恋愛を成就させようとする形に当てはめて、散文を書き進めている。”
って、どういうことなんでしょうか。
どちらかが寄生して?いや自分の命を引き継いでくれる人を見つける恋愛?
いやぁ本って色々ありますなぁ。
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本が好き!編集部 おがた