『羊と鋼の森』映画化記念!ピアニストとピアノ調律師を知る本

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2016年に本屋大賞を受賞した宮下奈都の『羊と鋼の森』映画化作品が、2018年6月8日に公開されました。
小説の映画化作品では、原作との対比がどうしても気になりますが、作品のテーマであるピアノの音色は映像化されてより味わい深いと注目が高まっています。

私も幼少期から長くピアノに親しんできたので、調律師の背中や、仕事ぶり、調律されたばかりのピアノの鍵盤の軽やかさを想いだします。

羊、鋼、そして森。なんとも静逸なタイトルに込められた作品の世界をより深く知っていただきたい。そして本書の主要登場人物でもある、ピアニストとピアノ調律師がテーマになっている本を併せてご紹介します。

2015年に刊行された『羊と鋼の森』


書籍:羊と鋼の森
(宮下奈都/文藝春秋)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/229710

内容紹介
ピアノの調律に魅せられた一人の青年が調律師として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った長編小説。2016年本屋大賞受賞。

ゆるされている。世界と調和している。
それがどんなに素晴らしいことか。
言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。

「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。(本文より)」

『羊と鋼の森』のレビュー紹介

ピックアップ書評(ことなみさん)

青年は体育館で調律しているピアノから深い森の音を聞いた。グランドピアノが翼を広げた鳥にみえた、ピアノの最高の音を響かせたい。彼の夢が羽ばたく。

いい作品だった。

本屋大賞に少し偏見を持っていたが、読者賞も合わせて受賞しているとのこと。これから迷ったときは本屋大賞にしよう。

高校時代に聞いた音に魅せられてピアノの調律師になった男の子、成長してからの話もあるから青年の話。……続きを読む

ピックアップ書評(efさん)

ハンマーのフエルトの羊と、弦の鋼

この作品も図書館の順番待ちがものすごくて、到底引越前には順番が回って来ないことから電子書籍で購入した作品です(レビューは分散しないように多くの方がレビューしているところに書かせていただきます……これってずっと前から思っているのですが、内容は同じなのに出版のヴァージョンによって皆さんのレビューが分散してしまうのはもったいないなぁと)。……続きを読む

ピックアップ書評(miol morさん)

ピアノの内部から宇宙を見る

宮下奈都は調律師の理想を表すことばを探った。

そして、詩人・原民喜のごく短い、千字足らずの随筆「沙漠の花」から次のことばを引いた。
明るく静かに澄んで懐しい文体、少しは甘えてゐるやうでありながら、きびしく深いものを湛へてゐる文体、夢のやうに美しいが現実のやうにたしかな文体
(本書では現代仮名遣いに直されている)

このことばは、堀辰雄の「荒涼としたなかに咲いてゐる花のやうにおもはれた」作品「牧歌」から想を得た文体観だ。……続きを読む

2018年2月に文庫化


書籍:羊と鋼の森
(宮下奈都/文藝春秋)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/261757

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ピアノニストが主役の物語


書籍:海の上のピアニスト
(アレッサンドロバリッコ 草皆 伸子 訳/白水社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/242960

ピックアップ書評(はるほんさん)

とてもとても大きくて、そして小さな世界のストーリー

これまた見た映画からチョイスした本。
原作があると聞いて読みたいと思っていたのだが
正確には「一人芝居の戯曲」として書かれ、そこから映画が作られたようなので
原作というよりほぼシナリオというべきか。
とはいえ映画は少し話を変えてあるので、原作と呼んで差し支えない。……続きを読む


書籍:さよならドビュッシー
(中山七里/宝島社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/13674

ピックアップ書評(たけぞうさん)
音の聞こえる作品。新鮮。

ピアノを軸にした小説だ。中山七里さんは,「さよならドビュッシー」とともに「災厄の季節」というピアノを舞台にしたミステリーでこのミス大賞のダブル最終候補となっている。前代未聞だろう。才気豊かな方だ。受賞第一作が,「おやすみラフマニノフ」。ピアノに対する造詣の深さと愛情を持たれていることが分かる。……続きを読む


書籍:蜜蜂と遠雷
(恩田陸/幻冬舎)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/241281

ピックアップ書評(itukiさん)

世界とは、いつもなんという至上の音楽に満たされているのだろう――。芳ヶ江国際ピアノコンクールに参加する、4人のピアニスト。巡り合い、響き合い、競い合う中で、彼らは何を手にするのだろうか。

蜜蜂と遠雷、タイトルだけではどんな内容だか見当もつかない。

カバーのあらすじを見ると、ほう、ピアノコンクールの話らしい。
……最近、ピアノというか音楽をテーマにした作品が多くないか?
しかし、なぜ「蜜蜂と遠雷」なのだろうか……?

そう思いつつ読み始めたが、いや、面白かった。……続きを読む

ピアノ調律師をテーマにした本


書籍:調律師
(熊谷達也/文藝春秋)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/207781

ピックアップ書評(はにぃさん)

ピアノの音にニオイを感じる—そんな共感覚を持つ調律師の悲しみ。

共感覚・・・五感に対して一つの刺激が与えられたとき、別の感覚も同時に引き起こされる知覚現象。
例えば、文字を読みながら色を感じたり、音を聞きながら色を感じたり、形を見て味を感じたりする。
そういうものだと頭で理解しても、実際に体験してみないとわからない感覚だ。……続きを読む


書籍:調律師、至高の音をつくる 知られざるピアノの世界
(高木裕/朝日新聞出版)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/146219

ピックアップ書評(ぽんきちさん)

プロ調律師のお仕事。

筆者はピアノ調律師。一般向けの調律のほか、コンサートやレコーディングの際にプロ演奏家のための調律を行っている。プロ向けに、自社で管理するスタインウェイのピアノの貸出も行っている。

プロの矜恃を強く感じさせる1冊である。……続きを読む

まだまだピアノやピアニストをテーマにした本は数多くあります。
小説や文章からは、その旋律を思い浮かべることしかできませんが、映像化された作品では
音色を味わえるという楽しみがありますね。

ピアノの調律もそうですが、音楽家というのは、特別な才能の持ち主だと感じますが、『羊と鋼の森』の映画のトレーラーにあったセリフ「才能っていうのは好きだという気持ち」が
印象的でした。

(本が好き!編集部 東郷)

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