第71回カンヌ国際映画祭で、是枝裕和監督の『万引き家族』がパルム・ドールを受賞したニュースが流れています。これまでにも、腹違いの姉妹が父の死をきっかけに家族としてつながる『海街diary』、赤ちゃんの取り違え事件を題材にした『そして父になる』、息子の命日に集まった家族の夏の日を描いた『歩いても歩いても』など、数々のすばらしい作品を世に送り出しています。
生きていくことは決してきれいごとではない。清濁併せ持った人間の関係を、家族というもっとも小さな社会を通して美しく静謐さの漂う映像と、さりげない会話や演出でにじみ出させる是枝監督。
賞を獲った『万引き家族』もまた、これまでの延長線上にある、家族の物語です。
是枝監督の映画の脚本は、ほぼオリジナル(書き下ろし)なのをご存知でしょうか?
映画のノベライズ版だけでなく、絵本やエッセイも執筆されているので、これを機に是枝裕和の世界に触れてみませんか?
映画ノベライズ
5/28発売『万引き家族』
書籍:『万引き家族』(2018年5月28日発売)
(是枝裕和/宝島社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/265070/
以下は本が好き!のレビュー数が多い順にご紹介します。
『そして父になる』
書籍:『そして父になる』
(是枝裕和、佐野晶/宝島社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/265070/
ピックアップ書評(まみむめもさん)
家族とは? 親子とは? DNAなのか、一緒にいた環境なのか…。 6歳まで育てた子が取り違えだと分かった時、それからの人生、あなたなら一体どうするでしょうか。
赤ちゃんの取り違えが6才で発覚?
映画の番宣で衝撃を受けかなり気になったものの、自分に置き換えたとき全く答えがでない。…なので読むのを遠ざけてた本でした。
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『海よりもまだ深く』
書籍:『海よりもまだ深く』
(是枝裕和、佐野晶/幻冬舎)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/237486/
ピックアップ書評(Itsukiさん)
暑い日も、寒い日も、雨の日も。「そんなこともういいのに」と思いながら、自分のことを見守ってくれる人がいることはやっぱり幸せ。
読み終わりました。是枝裕和・佐野晶著の『海よりもまだ深く』。
あ、映画になったお話だよね、と思いつつ手にした一冊です。真木よう子さんが、セクシーで好きなんですよね。低めの声もとても素敵。
自称「作家」のもうどうしょもない良多。「小説のため」とか言いながら胡散臭い探偵事務所で働きつつ、さらにまた影でしょうもないお金の稼ぎ方をし、またそのお金をしょうもなくギャンブルで散財。
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『三度目の殺人』
書籍:『三度目の殺人』
(是枝裕和、佐野晶/宝島社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/254724/
ピックアップ書評(jouluriboさん)
結末まで至る過程における各登場人物の人間描写、その心理描写こそ人間というものを学ぶ一つの教科書として読んでみてもいいのではないか
未だ観ていないが、現在話題の映画のノベライズである。とても深く考えさせられるテーマである。ネタバレに近くなるが、「三度目の殺人」というタイトルは意味深である。本作の被疑者、三隅にとって北海道で起こした殺人事件が一度目。そして彼が解雇された会社の社長殺しの容疑で二度目。三度目とは・・・。
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『海街diary』
書籍:『海街diary』
(高瀬ゆのか、吉田 秋生、是枝裕和/小学館)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/230690/
『歩いても歩いても』
書籍:『歩いても歩いても』
(是枝裕和/幻冬舎)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/250301/
ピックアップ書評(jouluriboさん)
人生はいつもちょっとだけ間に合わないー是枝作品の真髄
ありふれた家族や家庭の一面を描かせたら今、一番旬な作家、映画監督は是枝裕和ではないかと密かに私は思っている。それは原作本の小説も、そして彼がメガホンと取る映画も然りである。決して派手さはなく淡々とした日常生活の家族の何気ない一コマに人間というもの、家庭というものをものの見事に描ききる。
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エッセイ
『映画を撮りながら考えたこと』
書籍:『映画を撮りながら考えたこと』
(是枝裕和/ミシマ社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/238019/
ピックアップ書評(踊る猫さん)
『海よりもまだ深く』に至る是枝裕和氏のキャリアを総括した一冊。
読み応えは充分。映画やテレビを観るにあたって、「表現」とはなにか? と様々なことを考えさせられる。監督は奇蹟を呼び寄せる才能に恵まれている。全てが詰まっているな、と思わされた。テレビ界でのディレクターとしてのデビュー作『地球ZIG ZAG』から映画監督としてのデビュー作『幻の光』、そして現時点での最新作『海よりもまだ深く』……続きを読む
『歩くような速さで』
書籍:『歩くような速さで』
(是枝裕和/ポプラ社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/238053/
ピックアップ書評(踊る猫さん)
マクロな次元の話である政治や国際情勢の話から、ミクロな次元である私生活や身辺雑記に至るまで。どちらも軽視することなく是枝氏は平等に扱い、綴ってみせる。その両立が是枝ワールドの魅力
是枝裕和監督の作品は、『DISTANCE』『花よりもなほ』『海よりもまだ深く』以外のものは一応観ているはずだ。そんなに熱心な観衆/ファンというわけではない。どちらかと言えば氏の作品には何処か鈍い退屈を感じながら接して来たというのが正直なところなので、『海街diary』でその退屈さを一切感じなかったのが興味深いと思った。『海街diary』とそれ以前でなにか変わったのだろうか? 力ではないかと思われる。……続きを読む
絵本
書籍:『クーナ』
(是枝裕和/ポプラ社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/215991/
ピックアップ書評(オクーさん)
クーナ、彼らには人間には見えないものが見える。
あ、こんなのあったんだ!と思って手にとったのがこの絵本。一昨年の秋のテレビドラマ、「ゴーイング マイ ホーム」がとてもおもしろかった映画監督の是枝裕和。これはあのドラマにも登場した森の中に住む小人クーナが主人公の物語だ。……続きを読む
なんと絵本まで手掛けられていたとは!
映画監督としてのバックグラウンドを知ると、より作品性、作家性が理解でき、些細なエピソードにもつながりや必然性があるのを感じられます。映画作品のファンである人も、改めて是枝作品の魅力に触れる機会ではないでしょうか?
ぜひ気になった本を手に取ってみてください。
(本が好き!編集部 東郷)
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