2018年7月の月間人気書評1位は、相川英輔『雲を離れた月』&リチャード・フラナガン『奥のほそ道』!

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こんにちは! 本が好き!編集部の東郷です!

2018年7月の人気書評ランキングを発表します。

(同じレビュアーさんが違う書評でランクインしていた場合はより上位の書評のみを掲載。つまり2018年7月で、投票数が上位だった10人の書評が掲載されています!)

1位
雲を離れた月
書籍:雲を離れた月
(相川英輔/書肆侃侃房)
レビュアー:mono sashiさん 得票数:45
書評掲載日:2018-07-28 19:27:11
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/265729/review/208058/

ああ、ここにも書くことを支えにして、自らを遠くに連れ出そうとする人がいる

「たべおそvol.3」のなかで、注意を惹いた作品のひとつに、相川英輔さんの「エスケイプ」があった。「エスケイプ」はアメリカの農法を学びにきた研修生が、主人の横暴に耐えられず、農場から逃走する過程を描く掌編小説だ。とりわけ終盤に登場する主人公の独白が、作者の心境と重ねあわされた(と思われる)箇所に、グっと胸をつかまれた。……続きを読む

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1位
奥のほそ道
書籍:奥のほそ道
(リチャード・フラナガン/白水社)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:45
書評掲載日:2018-07-09 06:02:52
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/265276/review/207323/

もしかすると、本に“打ちのめされる”というのは、こういうことをいうのかも……。

主人公はタスマニア出身のドリゴ。
オーストラリア軍の軍医として太平洋戦争に従軍し、日本軍の捕虜となった男だ。彼ら捕虜に課せられたのは、タイとビルマを結ぶ「泰緬鉄道」(「死の鉄路」)建設のための過酷な重労働。ドリゴは将校として日本軍の指示に従って日々、部下に持ち場を割り当てる立場にあったが赤痢で怪我で栄養失調で衰弱で働かせれば死んでしまうであろう兵士を休ませようとすればかろうじてまだ力が残っている兵士を死の淵へ急がせることになるという避けようのない現実に医師として、人として、日々葛藤していた。……続きを読む

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3位
家政婦は名探偵
書籍:家政婦は名探偵
(エミリー・ブライトウェル/東京創元社)
レビュアー:マックさん 得票数:44
書評掲載日:2018-07-10 15:52:39
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/227009/review/207841/

読める展開に、読める犯人。それなのに、こんなに面白い!

とても人の良いウィザースプーン警部補だが、刑事としての素質は限りなく低く、同僚刑事に過去の活躍を怪しまれてもいる。
そんな彼が何故今まで難事件を解決することができたのか。
それは家政婦のジェフリーズ夫人率いる使用人たちが彼に気付かれないように情報を集めて推理し、それとなく彼を解決へと導いてきたから!
シリーズ第1弾の今回は、嫌われ者の医者が毒キノコ入りのスープを飲んで殺された事件。
ご近所にことごとく嫌われている被害者は、もちろん使用人にも嫌われている。……続きを読む

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4位
三千円の使いかた (単行本)
書籍:三千円の使いかた (単行本)
(原田ひ香/中央公論新社)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:37
書評掲載日:2018-07-23 09:25:28
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/264548/review/208845/

”人は三千円の使いかたで人生が決まる、と祖母は言った。”

冒頭は、そんな言葉で始まる。
三千円あったら何を買うか。
決して高額ではない、けれども小銭でもない、その程度のお金を手にしたとき、あなたは何を買うだろうか。
本を買う? ちょっとおいしいものを食べる? 少し高めだけど普段にも使えるポットを買う?
日々のそうした小さな積み重ねが、結局はその人の人生の彩りを決める。
だから、三千円の使いかたは人生を決める。たかが三千円、されど三千円である。……続きを読む

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4位
バケモノの子
書籍:バケモノの子
(細田守/KADOKAWA)
レビュアー:Wings to flyさん 得票数:37
書評掲載日:2018-07-07 16:12:51
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/266655/review/207650/

君は、胸の中の剣を握りしめて人生に立ち向かえるか?あなたは、胸の中の剣を誰かに与えることができるか?大人と子どものそれぞれが、心に響く何かを受け取るだろう。

うわー、これは恐れ入りました。最後にこんな感動が押し寄せて来るとは、全く予想していませんでした。バケモノと人間の子が結んだ絆の美しさに、胸がいっぱいになります。爽やかで優しいと同時に、厳しい問いかけを感じる作品です。
……続きを読む

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6位
蟬の交響詩
書籍:蟬の交響詩
(アンドレアスセシェ/西村書店)
レビュアー:darklyさん 得票数:36
書評掲載日:2018-07-04 20:14:38
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/262355/review/207289/

アンドレアスセシェの邦訳3冊目は音楽小説であり恋愛小説。読んでいること自体が幸せに感じるほど美しい文章

マスクラン村の近郊の砂漠で一人の男が瀕死の状態で救出された。男の名前はセリムといいシラケシュから来たという。回復したセリムはイブラヒムにシラケシュで何が起こったのかを語り始める。またイブラヒムは自分の妻が射殺されたと思っており未だ心の傷が癒えていない。

セリムは少年時代、森の中でヴァイオリン職人であり演奏家でもあるアリフに出会う。……続きを読む

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7位

書籍:読書という荒野
(見城徹/幻冬舎)
レビュアー:たけぞうさん 得票数:35
書評掲載日:2018-07-24
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/266463/review/207859/

面白いじゃねえか、コノヤロウ。

見城さんは出版界の大物です。具体的な活躍は、この本を読んで知りました。
確かにすごい実績です。そして、手掛ける作品が自分の趣味に合わなさそうと
なんとなく思っていた理由もはっきりしました。

これまでの生きざまに影響を与えた本を、見城さんが自らの人生をたどりながら考察していきます。取り上げる本を通じることで、その人の大事にしているものや考え方が分かるのだなあと実感しました。……続きを読む

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8位

書籍:光秀の定理
(垣根涼介/KADOKAWA)
レビュアー:三毛ネコさん 得票数:33
書評掲載日:2018-07-29
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/243755/review/209210/

明智光秀の人生に2人の人物が大きく関わっていたというフィクションです。こんな展開にするのか、と感心しました。

垣根涼介のクライム・ノベルは好きである。その著者が時代小説を書いたと知り、読もうと思った。

場所は京都。辻斬りのようなことをしてわずかな金を稼ぐ兵法者、新九郎、辻博打で食べている坊主、愚息。そして十兵衛の3人が出会う。十兵衛―明智光秀は土佐源氏の流れを組む者で、京で私設外交官のような仕事をしていた。しかし、国許の明智氏は滅ぼされ、光秀も今は細川藤孝の屋敷に居候し、貧しい暮らしをしている。……続きを読む

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8位

書籍:100回泣いても変わらないので恋することにした。
(堀川アサコ/新潮社)
レビュアー:波津雪希 得票数:33
書評掲載日:2018-07-16
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/266934/review/208218/

題名からは想像できませんが、『小さいおじさん』シリーズです。

孤独な人にしか見えない小さいおじさん(槇原伝之丞)はアメリカンショートヘアーの猫を保護しようとした市立博物館学芸員の手島沙良のもとに現れたのは、以前と同じ公園のピンチを一緒になって打破する人間を小さいおじさんは、探していたのではないかと思いました。……続きを読む

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10位

書籍:兎の眼
(灰谷健次郎/KADOKAWA)
レビュアー:ことなみ 得票数:32
書評掲載日:2018-07-04
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/232794/review/207475/

ハエを飼う話は塵芥処理場が舞台では仕方がないかもと読んでいるうちに慣れて来た。世間知らずの小谷先生だから、こうして無邪気に子供の仲間になれるのか。今ならどうかな。

ほとんどストーリーは忘れているくらい昔に読んで、こんなに感動した本は他に知らない、とその時思った。胸がいっぱいになり、読みながら涙が流れて止まらなかった。そんな事があったなと今まで時々思い出していたが、今年のカドフェスのリストで見つけて、読んでみた。……続きを読む

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