【保存版】祝15周年!本屋さんが一番売りたい本を選んだ「本屋大賞」の受賞作全15作品

2018年で本屋大賞はなんと15周年を迎えたそうです!(パチパチ)

第1回が開催されたのは、2004年。つい先日のことのようですが、もう15年も月日が経っていたとは。
どの作品も書店での展開が大々的で、書影を覚えているものがほとんどです。

翻訳部門の過去受賞作をご紹介しましたが、お待たせしました。
本丸である、国内小説部門について過去受賞作を第一回からご紹介していきます。

本屋大賞 大賞受賞作品一覧(2004年~2018年)

第1回 小川 洋子『博士の愛した数式』(新潮社)
第2回 恩田 陸『夜のピクニック』(新潮社)
第3回 リリー・フランキー『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(扶桑社)
第4回 佐藤 多佳子『一瞬の風になれ』(講談社)
第5回 伊坂 幸太郎『ゴールデンスランバー』(新潮社)
第6回 湊 かなえ『告白』(双葉社)
第7回 冲方 丁『天地明察』(KADOKAWA 角川書店)
第8回 東川 篤哉『謎解きはディナーのあとで』(小学館)
第9回 三浦 しをん『舟を編む』(光文社)
第10回 百田 尚樹『海賊とよばれた男』(講談社)
第11回 和田 竜『村上海賊の娘』(新潮社)
第12回 上橋 菜穂子『鹿の王』(KADOKAWA 角川書店)
第13回 宮下 奈都『羊と鋼の森』(文藝春秋)
第14回 恩田 陸『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎)
第15回 辻村深月『かがみの孤城』(ポプラ社)

2004年~2018年の大賞受賞タイトルを本が好き!レビューとともにどうぞ!

〈2004年 第1回〉小川 洋子『博士の愛した数式』(新潮社)

書籍:博士の愛した数式
(小川 洋子/新潮社)

書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/24723/

ピックアップ書評(fuuraさん)

甘くも無く、かといって無味でもない不思議なケーキ、テーブルの上に出され「さあご賞味」を 口にくわえようとすると、数の妖精が現れ、待ちなさい、あなたにこのケーキ賞味する資格が あるかないか私が決めてあげる!……続きを読む

文庫版はこちら。


書籍:博士の愛した数式
(小川 洋子/新潮文庫)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/113864/

〈2005年 第2回〉恩田 陸『夜のピクニック』(新潮社)


書籍:夜のピクニック
(恩田 陸/新潮社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/5078/

ピックアップ書評(calmelavieさん)

てくてく、ぞろぞろ、てくてく、ぞろぞろ、……
恩田陸の作品を読むのはこれが初めてである。何年か前に古本屋で「六番目の小夜子」を衝動買いしたことがあるけれど、積読するうちにどこへいったかわからなくなった。実は、この本も古本屋での衝動買いである。しかし、今度は大丈夫。一気に読み終えた。
……続きを読む

文庫版はこちら。文庫の装丁のほうが目に焼き付いています。


書籍:夜のピクニック
(恩田 陸/新潮文庫)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/41886/

〈2006年 第3回〉リリー・フランキー『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(扶桑社)

書籍:東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
(リリー・フランキー/扶桑社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/23645/

ピックアップ書評(ベックさん)

読んでいてまず驚いたのが、リリーさんのなんのてらいもないあまりにも赤裸々な告白でした。
こんなにあけっぴろげで、素直な感情の吐露は読んでいて気持ちがいい。
彼はぼくたちと同じ普通の人。自分に甘く、後悔ばかりをくり返す。けっして、かっこいいわけでも誇り高いわけでもない。そこにいるのは、ぼくと同じ普通の人でした。

でも彼ほど素直で、やさしい人はいないんじゃないでしょうか。

やさしさは、充分な愛情を受けてこそ育まれるもの。オカンとリリーさんの二人だけの生活が、彼という一個の人間を形成したのなら、そこには計り知れない母親の愛情というものが存在していたんです。
……続きを読む

文庫版はこちら。


書籍:東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
(リリー・フランキー/双葉文庫)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/50922/

〈2007年 第4回〉佐藤 多佳子『一瞬の風になれ』(講談社)

書籍:一瞬の風になれ
(佐藤 多佳子/講談社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/314/

ピックアップ書評(ぷーとちゃーさん)
ヒトは、たいていのことは努力とやる気次第でそこそこいい線まで行くと信じて疑わない私ではあるが、そうはいってもそこから先は、持って生まれたセンスや才能といったものが必要なのだろうとは思う。そうして、そういった天賦の才を持った人は、本人が望むと望まないとに関わらず、どうしても周りから注目されてしまのだろうとも思う。……続きを読む

文庫版はこちら。単行本と同じく全三部作です。


書籍:一瞬の風になれ
(佐藤 多佳子/講談社文庫)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/9562/

〈2008年 第5回〉伊坂 幸太郎『ゴールデンスランバー』(新潮社)

書籍:ゴールデンスランバー
(伊坂 幸太郎/新潮社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/2134/

ピックアップ書評(じゅんさん)
私は、「無実の罪で追われる善良な一般人」という設定が苦手で(だって怖くてたまらないんだもの)娘から「騙されたと思って読んでみて、お母さん」と無理やり背中を押され読んでみたら、ホントだ、面白いよ、これは。(中略)この「ゴールデンスランバー」に描かれた、“いつの間にか”国家権力によって社会が変えられている様子やマスコミによる情報操作の恐ろしさやそれにどっぷり巻き込まれている一般人の愚かしさなど、うんうん、とうなづく描写がたくさんありました。……続きを読む

文庫版はこちら。カバー装画は同じですが、タイトル、著者名が横書きになっていて新鮮。


書籍:ゴールデンスランバー
(伊坂 幸太郎/新潮文庫)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/185759/

〈2009年 第6回〉湊 かなえ『告白』(双葉社)

書籍:告白
(湊 かなえ/双葉社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/642/

ピックアップ書評(kansasさん)
我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。
正義とは主観でどのようにも変わる。果たして、一体誰が悪なのか。悪とは、どこからどこまでを言うのだろうか。人間は性悪説で染まっているのか、それとも性善説を見出せる存在なのか。……続きを読む

文庫版はこちら。文庫版の書評件数が86件!文庫化への期待が高かったことが伺えます。


書籍:告白
(湊 かなえ/双葉文庫)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/2438

〈2010年 第7回〉冲方 丁『天地明察』(KADOKAWA 角川書店)

書籍:天地明察
(冲方 丁/KADOKAWA 角川書店)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/12738/

ピックアップ書評(塩味ビッテンさん)
主人公の性格も彼を助ける周囲の登場人物もおしなべて「気持ちがいい」人ばかり。囲碁と宇宙を繋ぐサクセスストーリです。近頃このような大団円で結ぶ「気持ちのいい」小説が少なくなったと改めて思います。……続きを読む

文庫版は上下巻になっています。


書籍:天地明察(上)
(冲方 丁/KADOKAWA 角川文庫)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/194601


書籍:天地明察(下)
(冲方 丁/KADOKAWA 角川文庫)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/194602

〈2011年 第8回〉東川 篤哉『謎解きはディナーのあとで』(小学館)

書籍:謎解きはディナーのあとで
(東川 篤哉/小学館)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/52281/

ピックアップ書評(かもめ通信さん)
図書館の予約の列に並んだのが、いつだったかすら忘れてしまった今頃になって、ようやく順番が回ってきた。
長く待ち焦がれた待ち人なら、待っている間にすっかり美化されて、実際に会ってみると「残念!!」なんてこともあるだろうが、この本の場合、聞こえてくるのは「今ひとつ」という評判ばかり?!……続きを読む

文庫版はこちら。


書籍:謎解きはディナーのあとで
(東川 篤哉/小学館文庫)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/264085

〈2012年 第9回〉三浦 しをん『舟を編む』(光文社)


書籍:舟を編む
(三浦 しをん/光文社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/185116/

ピックアップ書評(はにぃさん)
「辞書は、言葉の海を渡る舟だ。」「海を渡るにふさわしい舟を編む」 本屋大賞にふさわしい三浦しをんさんの傑作。
出版社に勤務している馬締(まじめ)は、辞書編集部に異動になった。
今まで「変わったやつ」と言われていたが、辞書の世界に没頭しながら邁進していく。
「大渡海」という辞書の完成を目指して—。……続きを読む

文庫版はこちら。漫画家・雲田はるこさんによるカバー挿画が美しい。

書籍:舟を編む
(三浦 しをん/光文社文庫)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/225449

〈2013年 第10回〉百田 尚樹『海賊とよばれた男(上・下巻)』(講談社)


書籍:海賊とよばれた男(上)
(百田 尚樹/講談社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/196210/


書籍:海賊とよばれた男(下)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/197162/

ピックアップ書評(Wings to flyさん)
激動期を生きた男の勇気と機略、信念の生涯を描く。
昭和20年、敗戦。焦土と化した日本。石油販売会社・国岡商店もまた、店主が一代で築き上げた海外拠点の全てを失った。だが8月17日、店主・国岡鐡造は毅然と社員に訓示する。

全てを失おうとも、日本人のいるかぎり、この国は必ずや再び立ち上がる日がくる。ただちに建設にかかれ。しかし・・・その道は死に勝る苦しみと覚悟せよ

この作品はノンフィクションであり、鐡造のモデルは出光興産の創始者・出光佐三である。上下合わせて800ページ近い長編だが、ページを繰る手が止まらない。敗戦の痛手が癒えぬ時代に、欧米の大資本石油業者『七人の魔女』に敢然と立ち向かう鐡造の姿に心を揺すぶられる。……続きを読む

文庫版はこちら。

書籍:海賊とよばれた男(上)
(百田 尚樹/講談社文庫)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/228994/


書籍:海賊とよばれた男(下)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/231960/

〈2014年 第11回〉和田 竜『村上海賊の娘(上・下巻)』(新潮社)


書籍:村上海賊の娘(上)
(和田 竜/新潮社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/212788/


書籍:村上海賊の娘(下)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/213735/

ピックアップ書評(佐藤ひとみさん)
痛快、活劇、歴史読み物。本屋大賞受賞作のベストセラーで、書評も数多ある。それでも、読んで書いてみたくなる……
織田信長が、石山本願寺を攻囲し、兵糧攻めにしたとき、籠城する一向宗門徒が頼りにしたのは、海側からの食糧搬入であった。織田軍に対抗し、海上から兵糧を運び入れようと画策したのが、毛利・小早川・村上の水軍である。……続きを読む

文庫版はこちら。全4巻となっております。


書籍:村上海賊の娘(一)
(和田 竜/新潮文庫)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/238990/

書籍:村上海賊の娘(二)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/239136/

書籍:村上海賊の娘(三)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/247741/

書籍:村上海賊の娘(四)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/247742

〈2015年 第12回〉上橋 菜穂子『鹿の王(上・下巻)』(KADOKAWA 角川書店)


書籍:鹿の王(上)
(上橋 菜穂子/KADOKAWA 角川書店)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/220695/


書籍:鹿の王(下)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/221277/

ピックアップ書評(あかつきさん)
和製ファンタジーの一人者が描く、異世界の医療サスペンス。
興味がわくではないか。
世界はかつて、古オタワル王国という数千年の繁栄を誇った王国によって、緩やかに統治されていた。
古オタワル人は医術や土木技術、工芸に優れ、夢のような豊かな暮らしを享受していたという。しかし、文明は飽和を迎えた後に衰退へと転じる。
謎の早逝の増加、疫病の流行……王国の衰退を悟った為政者たちは、疫病の害を免れたアカファ地方に都を移し、その都をアカファの民に譲りアカファ王国と名乗らせた。……続きを読む

上下巻の単行本の受賞が続いていますね。文庫版は全4巻です。


書籍:鹿の王 1
(上橋 菜穂子/角川文庫)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/251582/


書籍:鹿の王 2
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/251615/


書籍:鹿の王 3
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/251940/


書籍:鹿の王 4
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/252000/

〈2016年 第13回〉宮下 奈都『羊と鋼の森』(文藝春秋)


書籍:羊と鋼の森
(宮下 奈都/文藝春秋)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/229710/

ピックアップ書評(fukuさん)
ピアノの調律の世界を『羊と鋼の森』と表現したところが素敵。
高校二年生の外村(とむら)は学校の体育館にあるピアノを調律に来た板鳥と出会い、初めてピアノというもの、調律という仕事を知り、時を忘れてその様子を見入る。
外村は板鳥がピアノの(『羽に見えた』という)蓋を開けた時に森の匂いを嗅ぐ。
そして板鳥が調律していくことでピアノの音が少しずつ変わっていく間、秋の夜の森の匂いを感じ続ける。
その時の感覚が忘れられず、外村はピアノ調律師の道へと進む。……続きを読む

文庫版はこちら。牧野千穂さんによるカバー挿画を活かした落ち着きある佇まい。


書籍:羊と鋼の森
(宮下 奈都/文春文庫)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/261757/

〈2017年 第14回〉恩田 陸『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎)


書籍:蜜蜂と遠雷
(恩田 陸/幻冬舎)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/241281/

ピックアップ書評(PIOさん)
ピアノ・コンクールのネット視聴にハマった私も、ここに描き出された世界は本物だと思う。天才少年、挫折を経た少女etc.の出場者は存在感たっぷり。コンクールを通して成長する若者、音楽の素晴らしさに乾杯!……続きを読む

2016年刊行なので、文庫版はまだ刊行されていません。

〈2018年 第15回〉辻村深月『かがみの孤城』(ポプラ社)

書籍:かがみの孤城』
(辻村深月/ポプラ社)
書籍詳細URL:http://www.honzuki.jp/book/250490/

ピックアップ書評(混沌工房*さん)
不登校の中学生が自室の鏡から不思議な城に迷い込む…という筋書きだけで、お子様向けファンタジーと思わないで!! 本屋大賞受賞にふさわしい、ふだん本を読まない10代にぜひ読んでほしい一冊。
『不登校』だの『保健室登校』だのという言葉がない時代に学生生活をおくった。
学校とは行かなければならないものであり、教師の存在は絶対だった。
もし自分が小中学生のときに『不登校』という選択があったとしたら……どうしていただろう…???……続きを読む

いかがだったでしょうか。本屋大賞に歴史あり。その年の大賞作を振り返るとその当時の書店の棚の風景や、読後感がよみがえってきて懐かしい気持ちになります。面白いのは、同じ小説というジャンルのなかでも、ファンタジー、サスペンス、時代劇など、様々な作品が受賞していて、ジャンルに凝り固まることなく、本当に面白かった本だということ!
文庫化されている作品も多いので、未読の作品をぜひ手に取ってみてください。

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(編集部 東郷)

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