2017年9月の本が好き!人気書評ランキング発表です! 第1位は米澤穂信『満願』!!

こんにちは! 本が好き!編集部の和氣です。

今月から月間人気書評ランキングも発表していきたいと思います。

1位
満願
書籍:満願
(米澤穂信/新潮社)
レビュアー:yukoさん 得票数:56
書評掲載日:2017-09-03 17:03:45
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/215720/review/184679/

物事というのは、その見る方向によって、人によって、とらえ方は千差万別なのだとしみじみ感じた、よくできた六つの短編集です。

『夜警』
部下が、事件の最中に犯人に刺されて死んだ。
自分の別の部下は以前に自殺してしまった。
警官に向いている人間と、警官に向いていない人間ははっきり分かれている・・・
この交番にいたのは、警官に向かない男たちだった・・・ 続きを読む

—————————

2位
ハンニバル・ライジング 上巻
書籍:ハンニバル・ライジング 上巻
(トマスハリス/新潮社)
レビュアー:yukoさん 得票数:55
書評掲載日:2017-09-18 21:11:41
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/20186/review/185891/

大好きなシリーズなのに、なぜかこれだけ読むのを忘れていたとは・・・ 「人喰いハンニバル」はこうやって生まれたのか!

上下巻合わせてのレビューです。

一九四一年、六月二十三日。
ヒトラーが電撃的にソ連に侵攻したバルバロッサ作戦の開始後、二日目。

ハンニバル“峻厳”公が建てたレクター城で、公から数えて八代目、八歳のハンニバル・レクターは、妹のミーシャと濠で黒鳥にパン屑を投げ与えていました。 続きを読む

—————————

3位
兵士は戦場で何を見たのか
書籍:兵士は戦場で何を見たのか
(デイヴィッド・フィンケル/亜紀書房)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:53
書評掲載日:2017-09-04 05:44:53
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/234849/review/184552/

人はこうやって壊れていくのか。

『帰還兵はなぜ自殺するのか』という本がある。
ピュリツァー賞経歴を持つジャーナリスト、デイヴィッド・フィンケルが、戦争後遺症に苦しむイラクから帰還した米軍兵士とその家族を追ったノンフィクションで、戦争をするということ、戦地に赴くということはどういうことなのか改めて考えずにはいられない傑作だ。 続きを読む

—————————

4位
君の膵臓をたべたい
書籍:君の膵臓をたべたい
(住野よる/双葉社)
レビュアー:Yasuhiroさん 得票数:52
書評掲載日:2017-09-11 09:00:46
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/247981/review/185001/

※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。

CAUTION! この作品を読んで好感を抱かれた方、好意的なレビューを書かれた方は読むと絶対に気分を害されますので読まないでください。普段はやらない怒りの塩レビューです。

今年読んだ中で最低最悪、読み終わってこれほど腹が立ったことはおそらくここ数年ない、というくらいひどい代物。普通はこういう類の超安直難病ジャンルには近づかないのだが……続きを読む

—————————

5位
エロマンガ先生 妹と開かずの間
書籍:エロマンガ先生 妹と開かずの間
(伏見つかさ/アスキー・メディアワークス)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:51
書評掲載日:2017-09-13 06:34:30
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/250037/review/185257/

実を言うと私、結構ラノベ好きなのよね……。
こういうと驚かれることも多いのだが私は結構ラノベ好きだ。

少女漫画でならした世代だから
現実には絶対あり得ないような設定にもさほど抵抗がない。
いやむしろ、つじつま合わせのほころびが見えるより
現実離れしていればしているほどいっそ割り切って楽しめるというものだ。……続きを読む

—————————

5位
夜は短し歩けよ乙女
書籍:夜は短し歩けよ乙女
(森見登美彦/角川書店)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:51
書評掲載日:2017-09-18 17:34:36
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/137/review/185059/

ついに読了?!読みかけては挫折し、また思い立っては諦めて、6年かけてようやく読みおえた私の課題図書?!

もちろんそうだ。
今更念を押されるまでもない。
恋愛が究極の御都合主義の上に成り立っていることを
まさかしらない者はあるまい。

たとえば……続きを読む

—————————

5位
座敷童子の代理人
書籍:座敷童子の代理人
(仁科裕貴/KADOKAWA/アスキー・メディアワークス)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:51
書評掲載日:2017-09-25 05:23:44
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/238547/review/186365/

ノリ良し!キャラ良し!テンポ良し! #棚マル 棚から手にした本は期待以上の面白さ!!

たとえば“しゃばけ”シリーズ
あるいは“僕僕先生”と
神仙や妖が活躍する話は、
賑やかで、楽しく、心温まるものが多く好物といっていい。……続きを読む

—————————

8位
ソネット集
書籍:ソネット集
(シェイクスピア/岩波書店)
レビュアー:KIKUさん 得票数:50
書評掲載日:2017-09-04 12:47:43
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/87050/review/184724/

英詩の味わい。それは「眼で見る美しさ」「耳で聴く楽しさ」「口で詠う歓び」であろう。

19世紀イギリスの詩人マシュー・アーノルド(Mathew Arnold)は以下のように言いました。
“By nothing is England so glorious as aby her poetry.”
「詩は英国の華にして、これに勝るものなし」

私が英詩に興味を持ったきっかけは、昨年卒寿を迎えた、あるおじいさまとのご縁からでした。 ……続きを読む

—————————

9位
キラキラネームの大研究
書籍:キラキラネームの大研究
(伊東ひとみ/新潮社)
レビュアー:哀愁亭味楽さん 得票数:47
書評掲載日:2017-09-08 13:24:20
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/226790/review/185039/

キラキラした言葉を駆使してキラキラネームについて語った話(まずはちゃんと取材しろ。話はそれからだ)。

えー、相も変わりません。本日ご紹介したい本は、伊藤ひとみ著「キラキラネームの大研究」でございます。

実際に読んでみたら? ということで読んでみたら、思ってた以上にひどいものでした。こんなにひどいとは思わなかった。でも絡んでると思われるのは嫌なので、お気に触った方はスルーしてくださいね。……続きを読む

—————————

10位
キラキラネームの大研究
書籍:キラキラネームの大研究
(伊東ひとみ/新潮社)
レビュアー:あかつきさん 得票数:45
書評掲載日:2017-09-02 06:43:24
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/226790/review/172507/

本書は、キラキラネームが何故に大量発生し最早なにがキラキラかわからなくなっているのかを検討していく間に「日本語」という曖昧な言語の混沌の渦に落ち込んでしまったという自滅的かつ刺激的な書である。

数年前、後輩女医から届いた出産報告葉書に、某大学病院某内科総医局員がのけぞった。
「◯◯◯」。
その女の赤ん坊につけられた御名は、個人情報ゆえにとても口に出すことはできないが、それはそれは綺羅綺羅しいものであった。 ……続きを読む

—————————

10位
いつか王子駅で
書籍:いつか王子駅で
(堀江敏幸/新潮社)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:45
書評掲載日:2017-09-20 06:44:33
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/66773/review/185730/

#棚マル “変わらないでいたことが結果としてえらく前向きだったと後からわかってくるような”そんな暮らし方を私もしたい。

さして日も当たらない
二間続きの畳の部屋。
とってつけたような狭い台所の中で
そこだけがなぜだかやたらと大きいステンレスの洗い場。……続きを読む

—————————

12位
カルト村で生まれました。
書籍:カルト村で生まれました。
(高田かや/文藝春秋)
レビュアー:有坂汀さん 得票数:44
書評掲載日:2017-09-24 14:01:35
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/235334/review/186535/

「所有のない社会」を目指す「カルト村」で生まれ、19歳で村を出て一般社会で生活を始めた高田かやさんが自分の幼少期を淡々とした筆致で綴ったエッセイコミックです。実を言うと彼女と僕は同年代…。

「間違いない。彼女と僕は同年代だ…。」

僕は本書を見て確信しました。正確に言うと著者である高田かやさんのほうが1,2歳ほど上なのですが…。……続きを読む

—————————

13位


書籍:変身
(カフカ/新潮社)
レビュアー:mono sashiさん 得票数:43
書評掲載日:2017-09-09 03:25:38
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/1685/review/184928/

”わたしはこうして休暇をとりました”(禁煙パイポ風に)

朝起きるとザムザが巨大な虫に変身することで幕を開けるこの小説。初読の際は彼が変身したことばかりに気をとられて、その細部に目が行き届いてなかったのですが、あらためて読み直してみると、これまで見逃していた箇所が多くあることに気づかされます。……続きを読む

—————————

14位
それどんな商品だよ! 本当にあったへんな商標
書籍:それどんな商品だよ! 本当にあったへんな商標
(友利昴/イースト・プレス)
レビュアー:oldmanさん 得票数:41
書評掲載日:2017-09-05 15:44:33
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/253308/review/184816/

「登録商標」 日本が誇る企業が、知恵を絞り、議論し、成功を願って名付け…た筈なのに、駄洒落や下ネタ 意味不明なものまで…「変な商品…名」の世界へようこそ…

さて、ご用とお急ぎで無い方はちょっと読んでおいで_( ̄▽ ̄)ノ彡☆ばんばん!

拙者親方と申すは、お立合の中に御存知も御座りましょうが、お江戸を立って30里上方、相州小田原一色町を…続きを読む

—————————

14位
山人たちの賦 山暮らしに人生を賭けた男たちのドラマ
書籍:山人たちの賦 山暮らしに人生を賭けた男たちのドラマ
(甲斐崎圭/山と渓谷社)
レビュアー:三太郎さん 得票数:41
書評掲載日:2017-09-18 14:02:05
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/243491/review/185903/

30年前の日本の山中で暮らしを立てた人々の記録。

山で暮らしを立てたといっても、林業や鉱業や土木で生計を立てる人のことではなくて、猟師(マタギ)やイワナ釣り師や岩茸採り、木地師、宿坊や山小屋の主人といった、昔ながらの山の生活を送っている人々が取り上げられている。……続きを読む

—————————

フォローする